「確実に証拠を得たい」とお考えならば、聞き込み調査は、「プロ」である探偵・調査会社に任せたほうがいいのでしょうか。
費用をかけたくないという理由で、素人が聞き込み調査をすることはできるのでしょうか。
プロの聞き込み調査の手法や素人の聞き込みとの違いなど詳しく解説しています。

聞き込み調査について
2022年4月16日
目次│探偵の調査相談窓口
聞き込み調査ってどんなこと?
調査の専門家だからできる
聞き込み調査とは、調査対象者の身辺調査・行動調査・信用調査・嫌がらせ行為やストーカー等の迷惑行為の調査・行方調査や人探し調査の際に、尾行や張り込みと併せて行われる手法です。
当事務所などの探偵・調査会社は、こうした調査のノウハウをマスターした上で、業務にあたっています。
他方で「探偵」といえど、被害実態の証拠入手のため警察のような捜査権限はありません。また、調査における以下のようなことを行なうのは不可能です。
- 加害者の身柄を抑えたり逮捕すること
- 他人の所有地や住宅に勝手に侵入すること
- 使用目的を偽った上で個人情報を取得する
- ストーカーの加害行為に加担するような居場所調査
- 法律で裁いたりなど弁護士の代行をする
探偵は「探偵業法」の範囲内で合法や違法の区別をしっかり理解したうえで調査を行ないます。
探偵法に守られているので聞き込み調査を始めとした情報収集が合法的に進めることが可能なのです。
プロの探偵が心得ていること
聞き込み調査の基本的な方法
聞き込み調査で得た情報は、裁判となった場合、証拠として採用される可能性がある一方で、調査対象者のプライベートな情報にもなるので、個人情報保護の観点で厳重に守る必要があります。
調査の専門家の聞き込みの極意としては、まず前提にあるのは調査にあたって、慎重に慎重を重ね業務にあたること、それから次のような段取りになります。
- ご依頼者と詳細に打合せする
- 聞き込み対象者を厳選する
- 警戒心を持たれないように話を聞き出す
詐欺罪に該当しない「嘘も方便」
調査対象者や聞き込みにおいて、架空の身分や肩書に“なりすます”のは、探偵にとっては基本中の基本です。
「詐称ということになり詐欺にあたるのではないか」と感じる方もいるかもしれませんが身分を偽った上で金品を詐取する行為ではないため、詐欺罪にはあたりません。
法に触れない範囲内で身分を偽る
例外として、警察官や自衛官をはじめとした公務員や、実在する企業・団体・組織の関係者になりすました場合、称号詐称、標章等窃用にあたり軽犯罪法違反となります。
プロの探偵は、この法律についても熟知していますので、あくまで架空の企業・団体・組織の関係者を名乗り、目的や肩書についてもカムフラージュし、調査を進めます。
プロの聞き込み調査のテクニック
あらゆる技能を駆使して行なうのが探偵
プロの探偵調査員は、いかに聞き込む相手に怪しまれずに情報を得るかというテクニックを持っています。
警戒心を持たれないように、自然に話を聞き出すことは、まさに調査のプロだからこそできることです。
「通りすがりの一般人」から「不動産業者」「取材中のライター」「ロケハン中のテレビ番組制作会社」に至るまでさまざまな手法を使います。
聞き込み調査の3つの手段
証拠の確保のための聞き込みの手段は主に次の3つになります。これらを上手く使い分けて正確な情報を掴むのです。
「電話での取材」
「メールやSNSメッセンジャーなどで聞く」
近年では、振り込め詐欺などへの警戒感から、プライバシー保護への意識が高まり、プロの探偵といえども、その技術のハードルは、年々高まっています。
調査依頼する前に心掛けていただきたい点
プロの探偵でも「100%ノーミス」ではない
あらゆる面で策を施しながらも、「プロ」の探偵・調査会社でも調査が失敗に終わることも、残念ながらあります。
その要因としては多いものとしては次のようになります。
“不審者”として、警察に通報されてしまった
これは、探偵・調査会社が聞き込みをした相手に警戒感を与えてしまったことによるものです。ただし、各都道府県警の公安委員会に届け出をしている探偵・調査会社なら、よほどの違法行為をしていない限り、警察からの注意のみで終わることになります。
探偵・調査会社を選ぶ際は、
各都道府県警の公安委員会に届け出をしている業者であるかを確認することは必須です。
ご依頼者からの事前情報が不足していた
浮気調査、素行調査など依頼を受ける際、調査対象者についての事前情報の提供は欠かせないものです。
情報の質や量は証拠を入手するまでの期間や調査費用などにも影響します。また何よりも、決定的証拠を掴めるかどうかは事前情報や事前調査が重要になります。
調査を依頼していることが調査対象者にバレた
ご依頼者が、探偵・調査会社に依頼していることを悟られないために、不自然な行動をとってしまい、かえって相手に怪しまれるといったケースもあります。
プロの探偵といえども調査対象者に存在がバレている状況で成果を上げることは不可能です。
調査依頼後のNG行為とは
ご依頼者が陥りやすいミス
探偵・調査会社に調査依頼したご依頼者が陥りやすいミスとしては、調査が気になるあまり調査対象者に過剰に詮索したり、反対に、すっかり安心してつい調査対象者の共通の知人にプロに調査を依頼したことを話してしまうような行為です。
特に気を付けたいミスは以下になります。
- 探偵・調査員の名刺や探偵・調査会社との契約書を第三者が見られる場所に保管する
- 探偵・調査員の電話番号を携帯電話に保存する
- 調査対象者を共有している銀行口座やクレジットカードから支払いをする
- 調査依頼しているにも関わらず、自分でも聞き込みをしてしまう
- 探偵・調査会社に調査依頼したことを(どんなに親しくても)第三者に話す
素人が行う聞き込み調査はこんなに危険!
探偵と素人の聞き込み調査の違いとは?
素人による聞き込み調査にはさまざまなリスクも潜んでいます。「聞き込み=聞きたいことを尋ねる」だけではないことは前述した通りですが、探偵・調査会社は聞き込みの成果として、ご依頼者が求めている証拠を得ることを最重要と考えています。
自力の聞き込み調査の難易度が高い
素人は「聞き込み」自体に気を取られ、仮に重要な情報を入手できたとしても、それらをどう扱っていいのかまで考えが至らず、まさに聞き込みのための聞き込みに陥ってしまいがちです。
自分の姿が第三者の目にどう映っているかまで意識が向かず、不自然になっている自分に気付くことができないのです。
失敗した時に失うものは多い
最悪なケースは、自らが聞き込み調査をしていることが調査対象者にバレてしまい、関係が崩壊してしまった上、得た情報が嘘であったり、当事者同士以外の第三者をも巻き込んだ場合、周囲からの信頼も失ってしまう結果を招いてしまうケースです。
自分、または知人や友人に、「金銭的に節約する」目的で、聞き込み調査を依頼したとしても、調査に失敗したり、得られた情報が嘘であれば本末転倒です。
素人では、裏付けができないため得られた情報の真贋を見極めることは、ほぼ不可能といえます。