「やめたくても繰り返してしまう」病気と診断も更生険しい
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「やめたくても、繰り返してしまう。自分一人ではどうにもできなかった」。何度も盗撮行為などで逮捕され、現在は「性嗜好(しこう)障害」の治療を受けている横浜市の30代男性は、自らが犯した罪の重さをかみしめつつ、悔恨の思いと、更生に向けた険しい道のりを語った。
「来た、今だ」。個室トイレで待ち伏せていた男性は洋式便器に登り、上から隣のスペースをのぞいた。そして女性の姿を確認するとすかさずスマートフォンを取り出して起動させ、女性の姿をカメラに収めた。「単なる好奇心からスタートした愚行」と自嘲気味に話す男性。しかし、気付いたときにはもうそこから抜け出せなくなっていたという。
きっかけはアダルトビデオ(AV)だった。トイレにいる女性の盗撮映像に興奮を覚え、数カ月たってもその映像が自然と頭に浮かんできた。「自分にもできそう。やってみようかな」。人通りが少なく、女性用個室トイレを設置している駅で降車し、個室に忍び込んで女性を待ち伏せたという。
初めは撮影に失敗することもあったが、思い描いた通りの映像が撮れた高揚感は何物にも代え難かった。幼少期、カードゲームのコレクションに没頭したように、街をふらついてスマホ片手に好みの女性を物色するようになっていたという。
最初は鬱憤(うっぷん)を晴らすのが目的だった。夜間、高校に忍び込んで女子生徒の制服やユニホームを次々と盗んだ。「無我夢中で衣服をかき集めることで、バイトのストレスを忘れられた」
27歳から始めた盗撮行為もそれに近い感覚で、30代後半になるまでやめることができなかったという。これまで建造物侵入や迷惑防止条例違反などの容疑で、計5回逮捕されている。
「今回でやめよう。家族や友人を裏切ることになる」。紹介された心療内科のクリニックにも通ったが、往復に2時間かけることが面倒くさくなり、途中から行かなくなった。「盗撮したい」。その気持ちだけがいつまでも残り、気付けば再び刑務所の中にいた。
引用元:神奈川新聞社 2024/06/09 11:50
盗撮行為の検挙件数は増加傾向
令和5年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果によると、去年1年間の全国の盗撮行為の検挙件数が、5730件に上っており、令和4年度の過去最多件数5737件とほぼ横這いであることが警察庁生活安全局生活安全企画課の発表で明らかになりました。
このうち、スマートフォンによる盗撮が8割近くを占めています。盗撮行為が増えた背景には、高機能の小型カメラが付いたスマートフォンの普及があるといわれています。
トイレや風呂、更衣室で2092件、駅構内の階段や、エスカレーターで957件となっています。
このように、盗撮行為は小型カメラの進化とともにさらに増加していくでしょう。
執着する盗撮魔に探偵ができること
悪質な盗撮魔は執着心が強く、被害者のプライバシーを侵害し続けます。
執着する盗撮魔に対して、探偵は以下のようなことができます。
被害証拠の収集
探偵は専門的な技術と経験を活かして、盗撮行為の証拠を収集します。これには、盗撮された写真や動画、盗撮機材の発見などが含まれます。
行動パターンの分析
探偵は盗撮魔の行動パターンや犯行の傾向を分析し、被害者に対するリスクを評価します。これによって、防御策や対処方法を提案します。
身辺調査
探偵は盗撮魔の身元や背景を調査し、その行動の背景や動機を明らかにします。これによって、被害者に対する脅迫やストーキングの可能性を予測し、対処策を立てることができます。
探偵の専門知識と経験を活用して、盗撮魔による被害を最小限に抑え、被害者の安全と安心を守るためのサポートを提供します。

執筆/監修者:山内 和也2024年6月10日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。