デジタル遺品とは、デジタル機器を通して確認できるデータや、インターネットで契約したサービスのことを指します。
具体的には、スマホで撮影した写真や動画、パソコンに保存されている文書、メール、SNSのアカウント情報、インターネット口座のパスワードなどです。
また、仮想通貨ウォレットの情報が出てくるなど、思わぬ遺産が掘り出されることもあります。
しかし遺品の中には、ずっと残したいものもあれば、悪用されないように削除してしまいたいものもあります。
亡くなった方がどのようなデジタル遺品を残したか把握するためにも、デジタル遺品調査が必要になります。
目次
デジタル遺品調査でできること
デジタル遺品調査でできることは下記の通りです。
- ネット銀行に銀行口座があることを突き止める
- 株式取引があったことを発見する
- 貸金庫の記録を見つける
- キャッシュカードの暗証番号のメモを発見する
- 仮想通貨に投資をした記録を見つける
- 過去に削除された文書を復元する
- 認識しないSDカードから思い出の写真を取り出す
- データが抹消されたパソコンからデータを復元する
- 生前、削除依頼されたデータを確認、消去する
- サブスクリプションサービスを解約するための、ログインパスワードを突き止める
- 各SNSのアカウントを特定する
- パソコンの不正侵入やウイルスなどの対策ができているかどうかを検査します
また、ポイントやPayPayなどの電子決済サービスの残高もデジタル遺品とされます。
少額であっても遺品になるので、しっかりと相続すべきでしょう。
デジタル遺品調査のよくある質問
Q.1デジタル遺品はどのように管理すればよいですか?
パソコン、スマホ、オンラインアカウント等、所有するデジタル資産をリスト化し、管理しやすい場所に保管しましょう。
Q.2デジタル遺品調査にどれくらいの期間がかかりますか?
デジタル遺品調査にかかる期間は、調査の範囲と複雑さに応じて異なります。
簡単なアカウント情報の確認や整理だけであれば、数日から1週間程度で完了することが多いです。
一方、複数のプラットフォームを含む広範な調査や具体的な法的手続きを伴う場合は、数週間から数ヶ月かかることもあります。
Q.3故人のプライバシーはどう守られますか?
調査範囲は必要最小限に、故人の尊厳を損なわない範囲で行われます。
調査で得られた情報は、依頼者への報告以外に使用されることはなく、厳重に管理されます。
デジタル遺品が引き起こすトラブル

SNSには個人の思い出や交友関係に関する情報がつまっています。
遺族が適切に対処しない場合、なりすましや、個人情報の流出、詐欺的な行為に利用される場合もあります。
特にフォロワーが多いアカウントの場合は周りに及ぼす影響が大きいため、悪用される確率も高いです。
ただし、正しく活用することができれば、知り合いに訃報の連絡をする必要がある際に生かされる場面もあります。
原則、相続手続きを進める際に、被相続人(亡くなった方)のIDやパスワードがわからない場合でも必要書類を送ることで問題なく進められるところがほとんどです。
しかし、管理していたスマホを解約したり、パソコンの処分を行ってしまうと、仮想通貨の情報がわからなくなってしまいます。
スマホの解約やパソコンの処分は、相続手続きが終わってからにすると良いでしょう。
ネット銀行やネット証券、仮想通貨取引所やFX口座(外国為替証拠金取引を行うための資産運用専用口座)といったサービスを利用していた場合に、ログインすることができなければ遺産の把握ができません。
現代では、スマホやパソコンでメモを管理している人も増えているため要注意です。
ネット銀行や証券、仮想通貨取引所やFX口座の取引データは税務署に筒抜けです。
税務署から指摘されて、はじめて高額な金融商品の存在に気づくといったケースも少なくありません。
相続税の申告漏れがあると、あとから多額の相続税を支払わせられたり、加算税や延滞税の対象になり罰金を払わせられることもあります。
たとえ支払いをストップしたとしても、解約をしないと滞納扱いになります。
サブスクリプションサービスの支払滞納には、高額な利息がかかる可能性もあります。
人によっては複数のサブスクリプションサービスを利用している場合もあり、その全てを網羅的にチェックする必要があるでしょう。
デジタル遺品調査の相談事例

相談事例①
息子が若くして亡くなり、デジタル機器も処分することになりました。
しかし生前、「仮想通貨を始めてみたんだ」と言っていたことを思い出し、思いとどまることに。
そして、遺品を整理している時に仮想通貨が保管されている、ハードウェアウォレットも見つかりました。
仮想通貨も立派な資産と聞いて、息子が残したものですから、きちんと相続したいと思っておりました。
しかしパスワードがかかっており、開くことができません。
そこで探偵の方に依頼することで、パソコンの隠しフォルダにパスワードが残されていたのを見つけていただきました。
その後、仮想通貨の相続手続きにも手を貸していただき、相続することができました。
相談事例②
日々SNS投稿を楽しみにしていた妻が亡くなりました。
スマホのロックはなんとか開けたのですが、SNSのパスワードがわからず、アカウントを停止することが叶いません。
不慮の事故で亡くなったこともあり、パスワードなどを教えてもらうことができなかったのです。
日記のように写真や文章を更新していた大事なアカウントですから、悪用されたりなりすましをされる前に何とかパスワードを突き止めたいと思い、探偵に依頼しました。
調査をしていくうちに、妻はInstagramだけでなく、Xでも投稿していたことが判明。
Xも同様のパスワードだったようで、無事削除するに至りました。
その際に妻と繋がって下さった数々の方に訃報を伝えることもでき、大変感謝しております。
相談事例③
父が他界しました。
銀行のインターネット口座を持っていたのは知っていましたが、どこの銀行口座かわからず手続きが進められません。
ファミリー調査事務所の「デジタル遺品調査」サービスを見つけ、依頼しました。
スマホや父のパソコンの調査を実施したところ、銀行口座を発見できました。
手続きも完了し、無事に相続できました。
デジタル遺品の取り扱いに困ったときは

この情報社会において、スマホやパソコンに保存されているデータは膨大です。デジタル遺品をすべて探し出すのは難しいものです。
ひとりで探そうと思っても、パスワードがわからないと進めなかったり、そもそもネットにそこまで詳しくないということもあるでしょう。
そんな時はぜひ、ファミリー調査事務所にご相談ください。
お電話・LINE・メールフォームで、24時間、土日祝日問わずお受けしています。