デートDVとは配偶者ではなく、恋人関係にある人物から振るわれる暴力のことを指します。
今回取り上げるのは、性暴力の被害にあった女性が、別れた後に法的対処法に乗り出した事件です。
恋人からの暴力は、最悪の場合ストーカー被害に発展したり、命の危険が迫ることもあるため、早期の対処が必要になります。
デートDVは、殴る蹴る・暴言だけでなく、性行為を強要したり、避妊具なしの行為を同意も得ずに行うことも含みます。
本記事では、デートDVの実態と、その具体的な対処法について解説していきます。
目次
性加害といったデートDVに悩んでいた女性が被害を訴えた事案

関西で看護師として働いていた佳奈さん=仮名=(37)が彼と出会ったのは、2020年ごろ。当時、彼は都内に住む大学生。アプリを通じて知り合い、最初にアプローチしてきたのは彼だったという。
(中略)
佳奈さんは彼氏のスマホに、女子高校生とのやりとりを発見。自宅に連れ込んでいたことも分かった。「勉強を教えていただけ」と弁明されたが、信用できない。
佳奈さんは別れを切り出し、部屋から出ようとした。すると腕を引っ張られて部屋に連れ戻され、ベッドで羽交い締めにされた。「苦しい」と声を出し、ホテルのスタッフに助けを求めようとすると、彼は佳奈さんの首に手をかけ、涙を見せながらこう言った。
「じゃあせめて一緒に死んでくれ。それか、抱かせてくれ」
そのまま、避妊具なしの性交を強要された。翌日、クリニックでアフターピルの処方を受けた。この費用も佳奈さんが全額負担している。
引用元:YAHOO!JAPANニュース|彼氏との性行為が「トラウマだった」女性の告訴で、警察が動き出した…デートDV、別れても「犯罪」になる可能性(2025年12月04日)
デートDVの被害とは

デートDVは、恋人間で発生する暴力のことを指しますが、その被害は多岐に渡ります。
本章では、その具体的な被害について、解説していきます。
身体的・精神的なデートDV
恋人の体を傷つけることや、精神的に支配することは、典型的なデートDVです。
精神的な被害とは、暴言や過度な束縛による支配が当てはまります。
人との交流を制限されたり、何よりもデートを優先させるように仕向けるなど、己を最優先にするよう仕向けられます。
暴力や精神的支配によって、相手に対する恐怖が生まれ、次第に逃げ出す気力さえ失っていきます。
勇気を出して別れを切り出しても、「別れたら死んでやる」と脅されることもあります。
性的被害をともなうデートDV
以下のようなものが、性的被害をともなうデートDVに当てはまります。
-
- 嫌がっているのにもかかわらず、性的行為や性行為を強要する
- 避妊具なしの行為を強行する
- 許可なく性的な写真や動画を撮影
- 撮影した性的な画像や動画を許可なく他者に見せたり、SNSに載せたりする
上述のような性的被害は「それだけ相手に求められているんだ」と思い込み、泣き寝入りをしてしまう被害者もいます。
センシティブな話題であるため、他者から理解を得づらいというケースも。
性的なデートDVは、表面化しづらい被害と言えるでしょう。
経済的なデートDV
経済的なデートDVは、同棲している場合に多く見られます。
生活費を渡さなかったり、金銭を渡すよう強要するような行為が当てはまります。
また、節約を強制したり、過度な金銭管理を行うこともあります。
上記のような被害は、倹約家と見分けるのが難しいと思われますが、あなたが無理を感じている時点で、それはデートDVに当てはまるかもしれません。
デートDVの対処法と相談窓口

デートDVは、被害が大きくなる前に、早急に対処することが必要です。
対処するには、加害者を刺激せずに動くことが大切になります。
しかし一人では、法的な対応や、デートDV被害の証拠収集を行うのに限界があります。
そこで本章では、デートDVの対処法と、具体的な相談窓口をご紹介します。
迷ったら自治体の相談窓口に相談する
「DV被害に悩んでいるけれど、どうすればいいかわからない」といったときは、全国共通の電話番号(#8008)に電話をすると、近くの配偶者暴力相談支援センターにつながります。
電話で状況を伝えてから、各相談センターに相談しに行くのがおすすめです。
また、電話を管理されているため相談しづらいという方のために、DV相談プラスという機関がチャットでの相談を受け付けています。
24時間受付の「プラス相談箱」という窓口もあるため、ご自分に合った状況下での相談が可能になります。
デートDVによって怪我をしてしまった場合は警察の窓口に相談する
怪我をしてしまったり、命を脅かされるような危険な状況の場合は、すぐに通報してください。
DV被害は、DV防止法違反・ストーカー規制法違反以外に、暴行罪や傷害罪といった刑法に抵触する恐れもあり、警察が介入してくれる場合があります。
ただし、DV防止法で定義づけられているのは、配偶者(事実婚を含む)によるDVのため、恋人関係間でのDVは緊急性が高いものでないと、民事不介入の原則により動けない場合もあります。
法的に有効な証拠を集めたい場合は探偵に相談する
法的措置を行う場合や、警察に相談したい場合には、デートDV被害の証拠を集める必要があります。
しかし、被害に遭っている最中に法的に有効かつ、客観性のある証拠をつかむのは難しいです。
恋人からの過度な監視状態にある場合も考えられるため、自力で証拠を集めるのはリスクをともなうでしょう。
そういった場合に対応するのが、証拠収集のプロである探偵事務所です。
探偵は主に、尾行・張り込み・聞き込みによって証拠を収集します。
また、それだけでなく、LINEやSNS上でのやりとりの保全方法のアドバイスや、法的に有効な調査報告書を作成することが可能です。
また、別れたあとに被害を訴えたい場合も、探偵による人探し調査によって元恋人の居場所を突き止めることができます。
デートDV事件に対して探偵はどう見る

恋人からの暴力は、配偶者によるDVよりも見過ごされやすいですが、放っておくのは大変危険です。被害が拡大する前に、早急に対処する必要があります。
探偵は、事件性の有無に関わらず調査を行うことができるため、「これはデートDVなんだろうか」と迷っている段階でもご相談いただけます。
当探偵事務所では、24時間365日、お問い合わせフォーム・電話・メール・LINEなど、様々な媒体でご相談を受け付けています。
デートDVは目に見える傷を残すだけでなく、人としての尊厳を踏みにじる行為です。
少しでも違和感を覚えたら、すぐにご相談ください。

執筆者:Kazuya Yamauchi
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。





















