昨今、SNSを中心に「ドバイ案件」という言葉が流行していることをご存じでしょうか?
この言葉が騒がれ始めたのは2025年5月頃、SNSプラットフォーム「X」(旧:Twitter)上にて「ドバイの富豪に呼ばれた日本人女性がヤギと性行為をして1億円をもらった」という情報が瞬く間に拡散されたことが始まりです。
しかし、この情報が確かであることを示す証拠は何もないため真偽は不明であり、案件への関与を疑われた数名の女性インフルエンサーも否定する旨の投稿を行なっています。
ただ、日本人女性が海外に渡って売春行為を行なっているという事例は近年急増しており、アメリカでは売春目的で渡った日本人女性が就労ビザを取得していないことが問題となって、ただの観光目的の一般的な日本人女性が入国拒否される事態も増えている状況です。
この記事では、話題を集める「ドバイ案件」を始めとする海外出稼ぎ売春の危険性を探偵目線で解説します。
目次
ニュース概要
SNSを中心に話題となっている【ドバイ案件】。
いわゆる海外出稼ぎの一つで、日本人女性がドバイに行って売春をすることを指す。ドバイ案件のギャラは1日数百万、1週間で数千万円ももらえるとされ、ネット上で“ドバイ案件のオーディションに受かって参加していた”と名指しされたインフルエンサーもいた。
引用元:【ドバイ案件経験者の告白】排泄物を食べさせられて一日500万円…「それでも私はSNSで輝きたい」(FRIDAY) – Yahoo!ニュース
「ドバイ案件」とは?
ここまで「ドバイ案件」が話題になった理由としては、求められる内容のショッキングさと貰える対価の大きさでしょう。
「ドバイ案件」と呼ばれる書き込みの詳細について、解説していきます。
拡散の要因となった内容
いわゆる「ドバイ案件」と呼ばれる出稼ぎ売春にはいくつもの種類がありますが、いずれも共通する以下のような特徴があります。
- 相手はドバイの富豪
- 過激な行為を要求される(動物との性交渉、排泄物を食べるなど)
- 日本では考えられないほどの大金が報酬
客となるのはドバイの富豪であり、産油国ということもあり報酬として貰える金額は日本で普通に働いても稼げないほどの金額と言われています。
金額は案件ごとに異なりますが、1ヵ月間の滞在期間中に1,000万円を稼げたり、1日500万円貰えるなどいずれも高額な報酬です。
しかし、対価と引き換えに求められるのは過激な性行為で、複数人を相手にする以外にも排泄物を食べさせられたり、骨を折るなど特殊な性癖を満たすことを求められる場合もあるようです。
中には犬や馬といった動物との性行為を求められるケースもあったり、飼育されている虎に追いかけ回される様子を客が見て楽しむといったこともあると言われています。
こうした高額報酬と過激な要求内容が人々の目を引き、この「ドバイ案件」に関する投稿が一気に拡散されたと考えられるでしょう。
「ドバイ案件」はどこまでが真実?
日本のメディアでは実際にこの「ドバイ案件」に参加したという女性や斡旋したスカウトマンのインタビューが掲載されることもあり、その際に上記のような高額報酬を引き換えにした過激な行為の様子が語られています。
そのため、今回拡散された「ヤギと性行為で1億円」という言説にも一定の信憑性が与えられてしまったとも考えられるでしょう。
しかし、参加者とされる女性達や関係者も口を揃えて「ヤギを相手にするのは聞いたことがない」と発言しているため、尾ひれがついた噂話の域を出ないと言えます。
とはいえ、入国拒否に至るほどの事態になっていることを考えると、海外出稼ぎ売春自体は実在していると考えるのが自然です。
「海外出稼ぎ売春」の危険性
「海外出稼ぎ売春」は日本では考えられないほどの高額報酬を提示されるため、お金のために引き受けてしまう女性もいます。
ですが、「海外出稼ぎ売春」はかなりのハイリスクハイリターンな行為であることは認識しておくべきです。
どのような危険性があるのか解説していきます。
命の保証がない
「海外出稼ぎ売春」は相手となる客自体は富豪かもしれませんが、出稼ぎ期間中の安全は保証されているわけではありません。
期間中の生活は現地の寮で送りますが安いホテルを用意される場合もあり、衛生環境が悪い中過ごすことになる可能性もあります。
また、仕事は主に夜に入るのでその間は観光して過ごすこともできますが、現地でトラブルに巻き込まれたりした場合の安全も確保されません。
更には過激な要求内容によって精神的に大きな負担を負うことで精神疾患の引き金になったり、身体的に後遺症が残ってしまうこともあるでしょう。
特に排泄物を食べたり動物相手の行為となった場合、どんな感染症にかかるかわからない上に、虎に追いかけ回されるような内容であれば命を失うことと隣り合わせの状況となります。
このような多大なリスクを背負ってまでお金を稼ぐ必要はないと考えていいでしょう。
取得したビザによっては渡航禁止になることも
海外への出稼ぎで渡航する場合、労働目的での渡航となるため取得すべきビザは労働用の「就労ビザ」になります。
しかし、海外に売春目的で渡航する場合に就労ビザを申請してもほぼ取得できることはないため、観光ビザを取得して売春を行なうこととなるでしょう。
もし観光ビザで入国したにもかかわらず金銭を得て就労していることが判明すれば、在留資格の取り消しや強制退去、加えて罰金といった処分が下されることになります。
更には再入国禁止の処分も下され、国によっては10年近く入国ができなくなったり、罰金に加えて懲役刑も科される可能性があります。
最悪の場合はパスポートを没収され、強制労働を科されるといったケースも考えられるでしょう。
既に現在このような日本人女性の観光ビザでの入国による売春行為が発覚しているからこそ、何の関係もない一般の日本人女性も入国禁止処分を受けてしまう事例が多発してしまっているのです。
「カファラ制度」の危うさ
中東諸国では、労働契約における制度として「カファラ制度」というものを適用することが多いです。
これは英語名だと「スポンサーシップ制度」とも呼ばれ、雇用主が労働者のビザや在留許可などの法的地位を管理する内容となります。
しかし、カファラ制度を盾にすることでパスポートを没収されたりする可能性も十分にあり、劣悪な労働条件を強いられたり自らの意思で出国することができなくなるなど、物のような扱いを受ける可能性も考えられます。
また、性に関する風習が日本と異なる部分があるため、泥酔客を断ることなく相手する場合もあったり、避妊具なしでの性行為をせざるを得ない場合もあるでしょう。
例えこうした違和感を感じる出来事があったとしても、カファラ制度によって渡航先の国における法的地位を雇用主に握られてしまっているため指示に従わないといけない状況に置かれてしまいます。
「海外出稼ぎ売春」の実態を確認するためには
もし身の回りに「海外出稼ぎ売春」を考えている人がいたとした場合、渡航中や渡航後に考えられる身体的・精神的・社会的リスクを考えると止めたいと考える人も多いでしょう。
また、事情を深く聞かずに渡航した身の回りの女性が「ドバイ案件に行ってしまったのでは…」と考えてしまう人もいるかもしれません。
海外渡航の状況が気になる人について調べたい人は、探偵に依頼してみることをおすすめします。
海外での調査に対応している探偵事務所であれば、海外に向かった人の動向も追いかけてその実態を確認することが可能です。
もし気になることが少しでもある場合は、お気軽に探偵にまでご相談ください。
探偵はどう読む
華やかなイメージのドバイですが、その裏にはさまざまな危険が潜んでいます。
ドバイ案件で囁かれている「噂」は、にわかには信じられないことばかりです。
その一方で、海外出稼ぎ売春が社会問題として取り上げられているということもあります。
ショッキングな内容で人を惑わす悪質な噂か、それとも真実なのか、確かめるには現地に行く他ありません。
しかし、ドバイ案件の調査は、他の海外案件に比べて難易度が高いです。
アラビア語がメインで、英語での情報収集にも限界があるということ、現地の事情に詳しい協力者の確保が必要であるなどが理由としてあげられます。
当事務所であれば、難しい海外案件にも対応します。
噂に惑わされる日々とはさよならをして、真実を見届ける覚悟を持ちましょう。

執筆/監修者:山内 和也2025年6月6日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。