事故物件という言葉は、今やよく耳にするようになりました。
この言葉が広く認知されるようになったきっかけの一つに、お笑い芸人松原タニシの「事故物件住みます芸人」としての活躍や、その経験を基にした映画『事故物件 恐い間取り』のヒットがあります。
人によっては霊を気にせず事故物件に住むことを選ぶ一方で、他の人々はどんな死因であれ避けたいと感じています。
事故物件は、単に前入居者が亡くなった物件というだけでなく、死因やその背景にある物語、心理的な影響、そして周囲の環境など、多岐にわたる要因によって定義されています。
執筆/監修者:山内 和也2023年11月16日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
目次
1- 事故物件とは
事故物件とは何か、そして告知義務はどうなるのかが、これまで多くの人にとってはっきりしていませんでした。
事故死や自殺などで亡くなった前住民のある物件は、しばしば事故物件と呼ばれ、新しい入居者への告知が必要かどうかが曖昧でした。
しかし、国土交通省は2021年5月、この問題に対処するための明確なガイドラインを発表しました。
これにより、死亡事故があった物件の賃貸や売買の際に、どのように告知すべきかの基準が設けられ、心理的な瑕疵を巡る問題を事前に防ぐための明確な指針が提供されたのです。
「ガイドライン」の内容
国土交通省が発表した新しいガイドラインでは、事故物件に関する告知義務についてのルールが明確にされました。
殺人や自殺、事故による死亡があった賃貸物件では、その事実を次の入居者に対して約3年間告知する義務がありますが、その期間を過ぎれば告知の必要はありません。
この告知義務は、建物の内部で起きた事件に限定されており、外部で起きた事故は含まれません。
ただし、建物内の共用部分での事故は告知が必要です。
賃貸とは異なり、売買物件の場合は告知義務に期限はなく、いつ発生した事故であっても告知しなければなりません。
自然死や家庭内の不慮の事故による死亡は通常、告知義務の対象外ですが、遺体が長期間発見されず、特殊清掃が必要なほどの腐乱が進んだ場合には、告知する必要があります。
これは、今後高齢化が進むと増加する可能性があるため、特に注意が必要です。
あの有名サイトも“絶対”ではない?
告知義務が適用される「事故物件」とは、具体的な屋内の場所で前の入居者が亡くなった物件を指します。
つまり、屋外で亡くなった場合、物件のオーナーに告知義務は発生しません。
しかし、「訳あり物件」や「いわくつき物件」といった言葉が示すように、以前の居住者が亡くなった物件に対する懸念は依然として残ります。
そういった物件について情報を得る手段として、事故物件を公示する「大島てる」のようなサイトが知られていますが、このサイトに掲載されている情報が必ずしも正確とは限らないため、利用者は注意が必要です。
事故物件でないにもかかわらず投稿されるケースもあり、サイトの信頼性が100%ではないという現実があります。
2-「心理的瑕疵」について
不動産業界でいう「心理的瑕疵」とは、物件にまつわる過去の出来事が未来の居住者の心理に影響を及ぼす可能性がある場合を指します。
これには、殺人、自殺だけでなく、自然死があった物件、さらには墓地や火葬場、葬儀場の近くの物件も含まれることがあります。
これらの場所を気にする人、特に霊感が強いと感じる人は、物件選びにおいて周辺環境を慎重に確認することが大切です。
実際にその場所を訪れ、周囲を自分の目で確かめることが重要です。
意外と見過ごされがちなのが、霊感がないと自認していた人でも、安い家賃に惹かれて入居した後に、心霊現象を経験することがある点です。
寝ている間の金縛り、耳鳴り、家電製品の故障や突然の停電など、不可解な出来事に悩まされることも少なくありません。
一方で、「心理的瑕疵」を気にしない層にとっては、事故物件は家賃が市場価格よりも安いため魅力的です。
例えば、隣が墓地であっても日当たりが良いというメリットを評価する人もいます。
このような需要に応えるため、事故物件に特化した不動産業者も現れており、特殊清掃やリノベーションを手掛けるなどして、事故物件のマイナスイメージを変えようとする動きも見られます。
3- ご相談の多い事故物件体験談
事故物件に住んだ体験談は、しばしば興味深いものです。
一般的に、事故物件での生活はその過去の出来事によって、多かれ少なかれ影響を受けることがあります。
以下は、事故物件に住んだ人々の体験談から得られる一般的なポイントです。
不可解な現象
多くの体験談では、説明のつかない音、突然の気温の変化、見えない存在の感覚など、不可解な現象の報告がされています。心理的影響
事故物件の知識がある場合、住人は夜間の不安、不眠、不穏な夢など、心理的影響を受けることがあると言われます。隣人との関係
事故物件に住むことが周囲に知られると、隣人との関係に影響が出ることもあるとのことです。家賃の割引
低い家賃の魅力に引かれて事故物件に住むことを選んだものの、後になってその選択を後悔するケースも報告されています。慣れの効果
一方で、時間が経つにつれて奇妙な現象に慣れ、それが日常の一部となると語る住人もいます。事故物件での生活は個人の感受性や信念、そしてその物件の具体的な歴史に大きく左右されます。
体験談は一人ひとり異なり、事故物件に対する考え方にも幅があることが分かります。
4- 住宅トラブルの告発先
住宅にまつわる問題に直面した際には、専門の機関に相談することができます。
例えば、住宅リフォームやトラブルに関するアドバイスを提供する公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターや、住宅関連の専門家に無料で相談できる住まいるダイヤルがあります。
法的な支援が必要な場合は、法テラス(日本司法支援センター)や国民生活センター(消費者ホットライン)、または地元の消費者センターに問い合わせることができます。
また、事故物件の調査や土地の履歴に関する詳細な調査が必要な場合には、ファミリー調査事務所にご相談ください。
事故物件や土地の問題に特化した専門家が支援を提供しています。
幽霊よりも現実的な恐怖!近隣トラブル
幽霊の話はよく耳にしますが、実際に生活に影響を与えるのは、しばしば「近隣トラブル」です。
騒音問題、駐車スペースの紛争、ゴミの不適切な処理、ペットに関する問題など、これらのトラブルは日々の生活にストレスをもたらし、時には深刻な対立に発展することもあります。
これらは幽霊の話よりも具体的で現実的な問題であり、解決には相互のコミュニケーション、時には第三者機関の介入が必要になることもあります。
近隣トラブルは、共同生活における配慮と理解の重要性を教えてくれます。
5- 事故物件に関するQ&A
事故物件とは具体的にどのような物件ですか?
事故物件とは、以前の入居者が殺人、自殺、変死などで亡くなった物件のことを指します。これらは「心理的瑕疵」と見なされ、一部の人にとっては居住するのに心理的な抵抗がある場合があります。
事故物件に住む際の法的な注意点は何ですか?
法律では、事故物件としての告知義務があります。賃貸物件の場合、多くの地域で事故発生から一定期間(例えば日本では3年間)は、不動産業者や大家が新たな入居者に対してその事実を告知する義務があります。
事故物件に住むメリットは何ですか?
事故物件の最大のメリットは、通常の物件に比べて家賃が安いことです。また、事故物件に対する偏見が少ない人にとっては、同じエリアでより広いスペースや良い条件の物件を見つけやすくなる可能性があります。
事故物件で起きる心霊現象は本当ですか?
心霊現象の存在については、科学的な証明がなく、個人の信念や体験に基づくものです。事故物件で特異な現象を経験するかどうかは、入居者の心理状態や信念に大きく依存すると言えます。
事故物件を購入または賃貸する際のアドバイスはありますか?
事故物件を検討する際には、物件の過去について詳しく調べ、自分がそれを受け入れられるかどうかを慎重に考慮することが重要です。また、事故物件であることを理解した上で、その価格や条件が自分のニーズに合っているかを判断しましょう。必要であれば、法的アドバイスを受けることも考慮に入れると良いでしょう。
事故物件で心霊現象を経験することはありますか?
心霊現象の体験は、科学的に証明されたものではなく、主に個人の感覚や信念に基づいています。事故物件において特異な現象を体験するかどうかは、入居者の心理状態、信念、またはその物件の過去に対する知識や思い込みに依存する可能性が高いです。事故物件に住む際には、心霊現象の体験に対する個人の感受性を考慮することが重要です。
事故物件における心霊現象の報告はどのように対処すべきですか?
心霊現象を報告する場合、まずはその体験が他の原因によるものでないかを考慮することが大切です。物理的な原因(例えば建物の構造による音響効果など)や心理的な要因(ストレスや不安など)を検討します。また、心霊現象を体験したと感じる場合には、精神的なサポートを求めるか、信頼できる第三者に相談することも有効な手段です。事故物件に住む際は、その物件の歴史や自身の心理状態に十分な注意を払うことが大切です。
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