近年は庭だけでなく室内で飼う家庭も増え、飼い犬が動物虐待を受けていても気付きにくくなっています。
中には、盲導犬の訓練や芸の習得といった善意の行為を装い、犬を工作に利用する悪質なケースもあります。
本記事では、こうした被害を見逃さないための初期対応や証拠の残し方、周知の重要性を解説します。
目次
動物虐待の被害報告はどこへすればいい?
動物虐待は犯罪です。
しかし、人目を気にせず虐待を行う者や、保健所に虚偽申告して野良動物を引き取り、虐待する者も存在します。
中には、虐待動画をわざとネット上に公開し、人目をひこうとする悪質なケースもあります。もし発見した場合は迷わず警察に通報してください。
動物虐待についてわからないことや迷った場合は、以下のリンクから都道府県別の関係機関へ連絡し、適切な対応を受けましょう。
また、法改正により、獣医師は虐待や殺害された動物を発見した場合、速やかに関係機関へ通報することが義務化されました(以前は任意)。
警察・自治体・動物愛護センターの連絡先
命の危険を感じたら110へ。緊急でない場合は#9110(警察相談)も利用できます。
行政への通報は、お住まいの市区町村役場や都道府県庁の「動物愛護」「生活衛生」担当、または保健所・動物愛護センターが窓口です。
連絡時は次の情報を事実ベースで伝えましょう。
- 発生日時・場所・回数
- 見聞きした内容(動画・写真・音声の有無)
- におい・鳴き声・物音などの状況
- あなたや周囲の安全状況
証拠は法的に問題のない場所から記録しましょう。相手の敷地に無断で立ち入る行為は避けてください。
匿名で通報する方法
身元を明かしたくない場合でも、以下の方法で情報提供が可能です。
- 警察相談(#9110)で匿名希望を伝える
- 自治体の通報フォームで匿名希望を明記
- 保健所・動物愛護センターへ電話し、最初に匿名である旨を伝える
- 書面や郵送で事実のみを記載して送付
匿名でも、情報が具体的なほど関係機関は動きやすくなります。日時・場所・状況を整理し、証拠写真やメモを用意しましょう。
報復が心配な場合は、探偵に相談して証拠化や通報の下書きを支援してもらう方法もあります。
(事例紹介)動物虐待を疑ったきっかけ
近隣トラブルから発展したケース
ご近所とのトラブルが続く中、飼い犬が原因不明のけがや体調不良をくり返すようになったケースです。最初は自然な事故と思っていましたが、庭に置いた水入れに異物が混入していたことが判明。さらに、犬が外に出るたびに威嚇行為を受けている様子が目撃され、動物虐待の可能性が浮上しました。
このように、日常のトラブルが背景となってペットが標的になる場合があります。小さな異変でも記録を残すために、日付や状況をメモし、物的証拠の確保を心がけましょう。
カメラ映像で判明したケース
飼い主が留守中に設置した防犯カメラやペットカメラにより、第三者が敷地に侵入して犬に危害を加える様子が記録されたケースです。映像には、食べ物を投げ込む、不自然な物音で犬をおびえさせるなどの行為が映っていました。
カメラ映像は、虐待の事実を客観的に示す有力な証拠になります。設置の際は、自宅や敷地内を撮影範囲におさめ、プライバシーを侵害しない位置に設置することが重要です。
動物虐待の法律と罰則
日本では、「動物の愛護及び管理に関する法律」によって、動物虐待や不適切な飼養管理が禁止されています。この法律は、人と動物が共生できる社会の実現を目的とし、動物をみだりに殺傷したり苦しめたりする行為を罰しています。
主な禁止行為
- みだりに殺す・傷つける
- 十分な食事や水を与えない
- 著しく不衛生な環境で飼育する
- 虐待目的で道具や薬物を使用する
- 遺棄(捨てる行為)
罰則(令和2年改正後)
- 愛護動物をみだりに殺傷した場合:5年以下の懲役または500万円以下の罰金
- 愛護動物を虐待または遺棄した場合:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
これらの行為は「知らなかった」では済まされません。違反が発覚すれば刑事罰が科される可能性があります。動物への接し方や飼育環境は、法律で定められた基準に沿って管理することが求められます。
実際にあった相談事例


最近、飼い犬が何かにおびえているようで、私が手を伸ばすと突然逃げたり、噛みつこうとします。虐待なんてしていないのに…様子があきらかにおかしいんです。

その反応は、日常生活の中でご相談者が知らない間に動物が嫌がらせや虐待を受けているサインかもしれません。
ここ最近、生活環境や近隣で変わったことはありませんでしたか?

そういえば…散歩中に、急に耳鳴りのような不快な感覚に襲われることがあります。あれは関係あるのでしょうか?

可能性はあります。猫除けなどに使われる超音波発生装置を悪用し、遠隔からペットや飼い主に不快な刺激を与える嫌がらせがあります。
その耳鳴りは、超音波の影響をあなた自身が感じていたのかもしれません。

そんなことが…許せません。誰がやっているのか、はっきりさせたいです。

散歩コースや耳鳴りを感じた場所を調べれば、発生源の特定に近づけるかもしれません。調査してみますか?

お願いします。ただ、費用はどのくらいかかるでしょうか?

今回の場合、発生源の範囲はある程度絞り込めますので、超音波測定が中心になるでしょう。測定調査は1日132,000円、交通費などの経費込みです。

わかりました。お願いします。早く解決したいです。
動物虐待の兆候チェックリスト
動物虐待は一見してわかりにくい場合がありますが、日常の小さな変化に目を向けることで早期発見につながります。以下は、
「虐待かもしれない」と気づくための具体的なサインです。
- 体に不自然な傷やあざがある
- 毛並みが急に悪くなった、脱毛が目立つ
- 理由なく急に体重が減った、または極端に痩せている
- 近づくと怯える、攻撃的になるなど性格が変わった
- 特定の人物や場所を極端に避けるようになった
- 歩き方がおかしい、足を引きずるなどの異常がある
- 常におびえた様子で隅に隠れている
- 食事や水が与えられていない形跡がある
- 屋外で過酷な環境に長時間放置されている
- 鎖や首輪の跡がくい込み、皮膚に傷ができている
これらの兆候が複数当てはまる場合、動物虐待の可能性が高いと考えられます。
日付や状況をメモし、写真・動画などの証拠を残すための準備をして、警察や動物愛護センターなどへ速やかに相談しましょう。
ペットハラスメントとの類似性や対策について
犬は訓練しやすく、その特性を悪用されて嫌がらせに利用されることがあります。たとえば、指の動きを合図に覚えさせ、
意図的に排泄させる、特定の場所を徘徊させるといった芸を仕込むことも可能です。
こうした訓練は外見上わかりにくく、ターゲットに対して定期的かつ計画的に嫌がらせを行う手段となります。しかし、加害に利用される犬からすれば迷惑行為であり、これは「ペットハラスメント」にあたります。
飼い犬を使う嫌がらせへの対策は?
動物を利用した嫌がらせは一見して判別が難しいものです。それでも、日常的に一緒に過ごす飼い犬や飼い猫の変化には、飼い主が敏感に気づくことができます。
不自然に吠える、落ち着かない様子を見せるといった変化があれば、注意深く観察しましょう。自宅周辺への監視カメラ設置は、不審者や不審行動を特定するためにも有効です。
被害内容によっては、損害賠償請求が可能な場合もあります。令和2年6月1日施行の「動物の愛護及び管理に関する法律」の改正により、動物を使った嫌がらせや虐待は今後減少傾向が期待されます。
加害者がどのようにペットを利用しているのかは、正確な情報がなければ特定が難しいものです。自分の飼い犬が利用されている場合も、気づくまでに時間がかかることがあります。異常な状況から一刻も早く解放できるよう、行動に移すことが大切です。
探偵ができる調査とは?
探偵は、「いつ」「どこで」「だれが」飼い犬に対して嫌がらせを行っているのかを事実確認し、証拠を収集します。場合によっては、同じ被害に遭っている他の犬の存在も調査します。
- 尾行調査
- 潜入調査
- 張り込み調査
- 証拠収集調査
- 聞き込み調査
嫌がらせや虐待の事実が判明した後は、加害者に関する情報収集を行い、問題解決までサポートします。必要に応じて加害者との話し合いに立ち会い、法的手段を検討される場合は、弁護士を無償でご紹介します。
加害者との直接対峙を避ける理由
動物虐待やペットを使った嫌がらせを発見しても、加害者に直接注意することは避けるべきです。感情的なやり取りは事態を悪化させ、被害がエスカレートする危険があります。
直接対峙のリスク
- 逆恨みによる報復や嫌がらせの激化
- 言い争いが暴力や器物損壊に発展する可能性
- 証拠を隠滅されるリスク
- 安全確保が難しくなる
加害者と接触することで、証拠収集のチャンスを失う場合もあります。また、冷静な対応が難しくなり、法的な手続きに不利に働くこともあります。
安全に解決するための方法
加害者に直接注意するのではなく、
第三者や専門家を介して対応することが安全確保につながります。
- 警察や動物愛護センターへ通報し、公式な対応を依頼する
- 探偵に依頼し、事実確認と証拠収集を行う
- 弁護士を通じて法的手段を検討する
特に探偵は、
尾行・張り込み・映像記録などの手法で安全かつ合法的に証拠を集められます。こうして集めた証拠は、警察や裁判所でも有効に活用できます。
動物虐待の相談・調査依頼方法
動物を利用した嫌がらせや虐待は、表面化しにくく、被害者自身も「本当に嫌がらせなのか」「自然現象ではないのか」と判断に迷うケースが少なくありません。しかし、
違和感を放置すると被害が長期化・深刻化し、飼い主もペットも心身に大きな負担を抱えることになります。
当事務所では、
周囲に動物虐待を行っている人物が存在するのか、その真相を徹底的に明らかにします。尾行・張り込み・映像記録・聞き込みなど、状況に応じた調査手法で事実を立証し、証拠を確保します。
まずはお気軽にご相談ください。
お問い合わせフォーム・電話・メール・LINEにて、24時間365日(土日祝日問わず)受付しています。ご希望があれば匿名でのご相談も可能です。
無料相談の時点で解決につながるケースも多くあります。大切な家族である飼い犬を守れるのは飼い主であるあなたしかいません。
「少しでもおかしい」と感じたら、迷わずご連絡ください。早期対応が、被害の拡大を防ぎ、ペットを安全な環境に戻す最短ルートです。

執筆者:Rita Hayes / リタ・ヘイズ
教育業界で10年以上の経験を積んだ後、2023年4月FAM Investigation入社。海外事業部の立ち上げと責任者としての運営を担当。入社当初から、国際調査体制の構築やグローバルパートナーシップの形成に尽力し、同社の国際展開を牽引している。
専門分野は、OSINTを活用したオンライン調査、潜入、尾行、張込みなどのフィールド調査、海外調査案件のマネジメント。