探偵事務所の中にはレンタルオフィスを拠点とする業者もありますが、中には実態が不透明な怪しい会社も存在します。
本記事では、失敗しない探偵社選びのチェックポイントを解説します。
目次
探偵社が「レンタルオフィス」を使う理由
ベンチャー企業や開業間もない小規模事業者に限らず、いまや大企業が事業でもレンタルオフィスが活用されています。
多くのレンタルオフィスは駅前や市街地にあり、かつ低価格で借りられ、事務機器なども一式揃っていていることから利便性が良いというメリットがあります。
そして、何といっても低価格で「一流の住所」が手に入るという点が、レンタルオフィスを好んで利用されるポイントでもあります。
また、地方への事業展開の拠点(支店)として、レンタルオフィスが使われるケースも多く見られます。
一般的な賃貸物件と契約する場合と比較すれば、立ち上げまでの時間や手間を大幅に圧縮できることもメリットといえます。
レンタルオフィス探偵の注意点
まず、探偵業は警察に届出をして、公安委員会から「探偵業届出免許証」の交付を受け、営業所内の見やすいところに掲示することが義務付けられています。
これは、探偵業が他人の権利を侵害(プライバシーなど)する可能性のある業種であることに鑑みて、行政が探偵業者を管理するとともに、依頼者が免許のない探偵に依頼することがないようにはかっているものです。
そこで、探偵業の届出をするときには、事業所の住所を記載しなければなりません。
実体のないバーチャルオフィスを利用することは認められません。
専門性の疑問
探偵業務は専門的な知識と技術を要します。
レンタルオフィスを利用する探偵社が、低コストで運営を行うために必要な専門性を欠いている可能性があります。
プライバシーの懸念
探偵業務は高度なプライバシーと機密性を要求されます。
レンタルオフィスでは、セキュリティやプライバシー保護の面で制限がある場合があり、クライアントの情報が適切に保護されているか不安が残ります。
「クーリングオフ」できない?
レンタルオフィスを利用している探偵社の多くでは、専用の相談スペースのために、相談員が「近くの喫茶店かファミレスでお話を伺います」といったケースが多く見受けられます。
ところが、これが大きな落とし穴であることは、あまり知られていません。
2008年、特定商取引法の改正により、探偵業もクーリングオフが適用されるようになりましたが、その適用範囲は「自宅・事務所以外で契約した場合」とされています。
いざクーリングオフしようとするときに、どこで契約したかで業者と揉める可能性があります。
悪徳の探偵社になると、「相談室が空いていなかっただけで、事務所で契約したのと同じであり、クーリングオフには対応できない」と言い出す悪徳な探偵社もあります。
逆を言えば、相談は事務所外であっても、事前にクーリングオフについての説明がなされる業者であれば信頼できるといえます。
バーチャルオフィスは認められない
バーチャルオフィスとレンタルオフィスは似ているように見えて、全くの別物です。
レンタルオフィスは「オフィスに相談員や調査員がいれば相談できる」ものですが、バーチャルオフィスは、そもそもオフィスの実態がありません。
業務スペースがなく、住所を“借りる”だけのバーチャルオフィスはレンタルオフィスとは違い、低コストで「自称・大手探偵」と見せかけることが可能となり、悪徳業者の多くがこの手法を利用しています。
長期的な信頼関係の構築に影響
探偵社とクライアント間の信頼関係は、長期的な成功に不可欠です。
レンタルオフィスを使用する探偵社では、安定した業務基盤の不在がこの信頼関係の構築を難しくします。
しかし、例えレンタルオフィスであったとしても、その場に相談員や調査員がいれば、一概に“悪徳業者”と断じることはできないでしょう。
“悪徳業者”であると思われる探偵社には共通の特徴があります。
- 「常駐している相談員は本社にしかいない」
- 「相談内容が周りに聞こえる環境」
- 「表示義務のある探偵業届出証の掲示場所があいまい」
- 「契約書などの保管場所がない」
これらの理由から、レンタルオフィスを使用する探偵社を選択する際には、慎重に検討し、事前に十分な調査を行うことが重要です。
信頼できる探偵事務所を見分けるチェックポイント
探偵業届出番号の確認
公安委員会に届出をしている探偵社には、必ず「探偵業届出番号」が交付されています。契約前に必ず提示を求め、正しく表示されているかを確認しましょう。
事務所の所在地が実在しているか
レンタルオフィスやバーチャルオフィスの場合、実態がないこともあります。訪問できる事務所かどうかを確かめることが信頼性の判断材料になります。
面談スペースが確保されているか
契約や相談を行う際に、個室やプライバシーが守られるスペースが用意されているかも大切なポイントです。安心して話せる環境かを確認しましょう。
実績や調査事例が公開されているか
過去の調査実績や事例紹介をきちんと開示している探偵社は、経験や信頼性を裏付ける証拠になります。公式サイトや資料でチェックしましょう。
探偵社に関するトラブル相談窓口
契約トラブルや料金の不透明さで困った際に相談できます。探偵社との交渉が難しい場合でも、中立的な立場で助言を受けられます。
探偵業は公安委員会への届出制です。無届営業や違法調査が疑われる場合には、公安委員会へ相談・通報することが可能です。
加盟している探偵業協会があれば、苦情や不正に対する相談窓口として機能します。協会の会員であるかどうかは信頼性を判断する目安になります。
契約解除や損害賠償など法的トラブルに発展した場合には、弁護士への相談が不可欠です。法律に基づいた解決策を提案してもらえます。
実際によくある相談事例
- 見積もりと実際の請求額が大きく違った
- 契約内容の説明が不十分で後から追加費用が発生した
- 調査結果の報告が曖昧で証拠として使えなかった
- 解約を申し出ても受け付けてもらえなかった
- 事務所の所在地が実在せず、連絡が取れなくなった
- 会社が突然なくなり、新しいホームページで別のレンタル事務所名義で探偵業を再開していた
探偵トラブルの無料相談
探偵社を利用して「こんなはずじゃなかった」と後悔していませんか?
契約内容の食い違い、料金トラブル、対応の不満など、ひとりで抱え込む必要はありません。
トラブル相談窓口を利用すれば、中立的な立場であなたの味方になり、解決の糸口を見つけることができます。
「どこに相談していいかわからない…」と悩む前に、まずは専門窓口へ。
早めの行動が、あなたの不安を最小限にとどめます。
安心して探偵サービスを利用するためにも、困ったら今すぐ相談しましょう。

執筆者:Rita Hayes / リタ・ヘイズ
教育業界で10年以上の経験を積んだ後、2023年4月FAM Investigation入社。海外事業部の立ち上げと責任者としての運営を担当。入社当初から、国際調査体制の構築やグローバルパートナーシップの形成に尽力し、同社の国際展開を牽引している。
専門分野は、OSINTを活用したオンライン調査、潜入、尾行、張込みなどのフィールド調査、海外調査案件のマネジメント。