人探しする事情は、人それぞれです。
ただし、その目的は、再会を果たすため、失踪者を保護するための2パターンに分けられます。
そして、人探しの方法は、その事情のほか、手がかりとなる情報量によっても異なります。
たとえば、探し人の写真が手元にあれば、顔認証技術を用いて本人の情報を集める、写真の写り込みから撮影場所を特定するといった調査ができます。
本記事では、自力で人探しするためのテクニックをご紹介します。
人探しする状況について
人探しの手法を大きく分けると、所在調査と行方調査の2つに分類されます。
いずれにせよ、人を探すという目的の面では共通しますが、事件性の有無の面で異なります。
前者は、主に、過去の知人と再会することを願うものです。
一方、後者は、現在の行方がわからなくなった家族などを捜索するものです。
また、両者では、探したい相手に対し、持っている情報量に違いがあります。
所在調査とは、探し人の所在を特定すること
所在調査とは、音信不通になった人物の現在の所在を突き止めることです。
たとえば、ファミリー調査事務所に寄せられた相談事例としては、次のようなものが挙げられます。
- 昔の親友と再会したい
- 別れた恋人と再会したい
- 一目惚れした相手に会いたい
- 未解決のトラブルを抱えたまま、逃げている相手の所在を突き止めたい
- 一緒に働いていた同僚に会って、仕事の相談をしたい
このほかにも、下記のようなケースで人探しが求められています。
会社を飛んだ人、初恋の人、浮気相手、ペット
行方調査(家出調査)とは、唐突にいなくなった人を捜索すること
行方調査とは、唐突に連絡を取れなくなり、失踪した人物を捜索することです。
家出のように、本人の意思で行方をくらませることもあれば、事件に巻き込まれている可能性も否定できません。
そのため、行方不明者の安否確認が急がれるケースさえあります。
家族(配偶者や子ども)、取引先、認知症患者
探したい人の情報を整理する
人探しは、その事前準備として、探し人の情報を整理することから始まります。
そして、人探しをする際には、探したい人の基本情報をたくさん持っていることが望ましいです。
たとえば、人探しをするうえで有力情報になるものとしては、次のようなものが挙げられます。
- 氏名(旧姓含む)
- 年齢(生年月日)
- 性別
- 家族構成(親兄弟、親戚、配偶者)
- 以前の連絡先(電話番号、メールアドレス、SNSアカウント)
- 以前の住所(前住所、実家)
- 学歴や職歴(勤務先、出身校)
- 写真(全身、顔写真)
ただし、探す対象者が一目惚れした人、オフ会で一度だけ会った人などのように、その人の基本情報をほとんど持っていないケースもあります。
このようなケースでは、探したい人に関わる情報をできるだけ、たくさんピックアップしましょう。
手がかりとなるものの一例としては、次のようなものがあります。
- 出会った場所や日時
- 出会ったサイト
- 会話の内容
- 趣味
- 生活範囲
- 交友関係
- 話し方や方言
自力で人探しする方法
自力で人を探す場合、Webツールや一般公開される情報、関係者が知っている情報が役立ちます。
具体的には、次のようなものを用いて人探しをします。
- 検索エンジンで人を探す
- 顔検索や画像逆引き検索で人を探す
- SNS(スマホアプリ)で人を探す
- 聞き込み調査で人を探す
- GPS機能で人を探す
- 探したい人の持ち物から行き先を推測して人を探す
- 市役所の住民票や戸籍謄本で人を探す
検索エンジンで人を探す
人探しをするうえで、もっとも敷居が低いのが検索エンジンを用いた方法です。
その代表的なものとしてGoogle検索エンジンが挙げられます。
探したい人の氏名を知っているケースでは、Google検索エンジンで検索すると、該当する人物の情報が検索結果に表示されます。
このとき、表示される結果では、団体サイトの所属メンバーの情報、Facebookの登録情報、書籍やコラム記事、ブログ記事の執筆者情報など、さまざまな情報を閲覧できます。
たとえば、探したい人が企業の役員に名を連ねている場合、検索結果に表示される企業サイトを通じて、現在の勤務先が判明します。
つまり、Google検索エンジンでは、比較的、社会的に認知されている人物ほど、探し当てやすいということです。
また、Google画像検索を使うと、Google検索エンジンに登録されている人物の画像が表示されますので、人を探しやすいといえます。
ただし、氏名のキーワードで検索すると、実在する同姓同名の全ての人物の情報が表示対象となります。
そのため、探している人が否かの判別がつかないといった問題を伴います。
また、そもそも、探している人の情報が表示されるとは限らないので注意しましょう。
顔検索や画像逆引き検索で人を探す
昨今では、顔認識のAI技術が発展しています。
この技術では、AIが人物写真を分析することで、その人物の顔の特徴を把握し、事前に登録した顔データと照らし合わせ、本人確認することを可能としています。
そして、この技術を応用した、顔検索や画像逆引き検索といったツールが存在します。
このツールでは、人物画像を分析して、Web上の顔データと照合し、その人に関連する情報を含むWebページのリストを表示してくれます。
つまり、探し人の顔写真を1枚でも所持していれば、人探しのヒントとなる情報を取得できるということです。
顔検索や画像逆引き検索のツールとしては、次のようなものがあります。
SNS(スマホアプリ)で人を探す
まず、探している人のSNSアカウントを閲覧することで、その人の所在地のヒントとなる情報を得られます。
たとえば、そのアカウントの投稿物をチェックしていきます。
すると、スマホで撮影した画像データ、本日の出来事など日記的な情報を取得する可能性があります。
探している人のSNSアカウントがわからなくても、本人を特定できるケースがあります。
その理由は、各種SNSでは、本人の日常生活やプライベートの情報を投稿している人も多くみられるためです。
たとえば、各種SNS内で探している人の個人情報を検索すると、検索結果でヒットする可能性があります。
とくに、実名主義のプラットフォームとして知られるFacebookでは、ユーザーが本人の実名でアカウントを作成しています。
そのため、Facebook内で探している人の氏名を検索すると、本人のアカウントに辿り着くことがあります。
また、Facebookの場合、一般人に広く使われているほか、ビジネス上のコンタクトツールとして利用されるケースもしばしばみられます。
このようなケースでは、その人の職場を知ることができます。
SNSの種類 | 具体的なSNSツール |
情報拡散タイプ | X、Threads、Bluesky、mixi2 |
コミュニティタイプ | Facebook、LinkedIn、Discord、LINEオープンチャット、mixi |
チャットタイプ | LINE、kakao、Skype、Messenger |
画像共有タイプ | Instagram、みてね |
動画投稿タイプ | Youtube、TikTok |
掲示板サイトで人を探す
なかには、人探しをコンセプトに設置されている掲示板サイトがあります。
人探し掲示板には、主に2種のコメントが投稿されます。
1つ目は、人を探しているユーザーのコメントです。
具体的には、探している人の氏名や基本情報を可能な範囲で詳しく公開するとともに、所在の情報提供を求めるものです。
2つ目は、その人物の情報を持つユーザーの書き込みです。そして、原則的に、探し人の情報を持つ人は、有志で情報を提供しています。
あくまでも情報提供者は有志の人ですので、イタズラ目的でコメント投稿するケースも散見されます。
そのため、提供された情報の真偽を判断する術が存在しないことが課題となります。
また、探し人の個人情報を公開することから、本人のプライバシーが侵害される危険をともないます。
このような注意点を踏まえて、人探しの掲示板サイトを利用しましょう。
聞き込み調査で人を探す
探したい人の身内や友人、同僚などの人物の情報を握っている場合は、人探しする方法として聞き込み調査が可能となります。
ただし、聞き込み調査とは、警察や探偵、報道機関、弁護士が業務としておこなうものです。
一般的には、名刺とともに自身の素性と目的を明かすことで、はじめて聞き取りに応じてもらえます。
一方、一般人が人探しを目的に聞き込み調査をするとなると、その協力者から不審に思われる可能性があります。
そのため、Webツールを用いた探し方と比較して難易度が高い手法です。そこで、重要になるのが協力者の信頼を獲得することです。
協力者に信頼されるためにも、事前に事情を伝えて、聞き込みの依頼とともにアポイントをとりましょう。
また、お願いする立場としての振る舞いを徹底する、身なりを整える、謝礼を用意するといった気配りが不可欠です。
こうしたことから、聞き込み調査には、高いコミュニケーション能力が要求されます。
もしも、関係者から協力を得られそうになければ、探し人と自身の共通の知人を介した情報集めに留めておくべきです。
GPS機能で人を探す
探し人に対して、GPS機能を搭載したスマートフォンなどを携帯させている場合、GPSを追跡して所在を特定できます。
一般的には、子どもや認知症で徘徊の懸念がある高齢者に携帯させるケースが多いようです。
また、スマートフォン以外でも、自動車にGPSトラッカーを設置していると、GPSの追跡が可能です。
仮に自動車で出かけたまま行方がわからなくなっているときには、自動車の位置情報を追跡することで、本人の所在が判明するケースもあります。
探し人の持ち物から行き先を推測して探す
探し人が残して行った持ち物が手元にあると、行き先を突き止めるヒントとなる情報を見つけられる可能性があります。
たとえば、失踪者がパソコンやスマートフォンを置いて出かけたとします。
このケースでは、パソコンのインターネット履歴を閲覧することで、行き先の手がかりとなる情報を発見できるかもしれません。
このほか、直近に記された日記など、行き先のヒントになる情報がないか、失踪者の持ち物を精査するべきです。
ただし、失踪者の持ち物を勝手に覗き見る行為は、プライバシーの侵害にあたります。
のちのち、探し人が見つかったあとに、トラブルへ発展することもありますので注意しましょう。

市役所の住民票や戸籍謄本で人を探す
市役所では、探し人の個人情報となる住民票や戸籍謄本を取得できます。
前者では、該当者の氏名や生年月日、現住所と前住所などの情報がわかります。そして、後者では、身内の人間の氏名、婚姻の有無などが判明します。
ただし、それぞれの書類には、取得制限があります。
たとえば、戸籍謄本の場合、原則的には直系家族、配偶者といった身内以外の人間が取得できません。
それ以外の人間が取得するためには、委任状が必須です。また、戸籍情報は本籍地の市区町村のみで取得可能です。
住民票と戸籍謄本は公的書類ですので取得条件が厳しく、探し人の身内の人間に協力を得られるときに有効な手法となっています。
写真だけあるときの人探し【実践編その1】
本人が映り込んでいる写真があると、人探しするうえで役立ちます。写真を用いた調査方法としては、次のような手法が挙げられます。
- 画像検索を使って、写真の撮影場所を特定する
- 顔検索や画像逆引き検索を使って、顔写真から情報を集める
- 写り込んだ建物や自動車から情報を吸い上げる
画像検索を使って、写真の撮影場所を特定する
画像検索を使うと、写真の撮影場所を特定できます。
たとえば、Google画像検索には、Googleレンズと呼ばれる機能が備わっています。
この機能は、1枚の写真データをもとに、類似する画像データを検索するといったものです。
仮に、手元の写真と同じ場所で撮影した画像がインターネット上にアップロードされているとすると、手元の写真の撮影場所が判明します。
Googleレンズを用いて、写真の撮影場所を特定する方法は、下記のとおりです。
- Google画像検索にアクセスする
- 入力フォームの右側にある「画像で検索」のアイコンをクリックする
- ファイル(写真データ)をアップロードする
- 検索結果のなかから、写真と類似する場所の画像を探す
顔検索や画像逆引き検索を使って、顔写真から情報を集める
顔検索や画像逆引き検索を使うと、顔写真と同一人物の画像データが見つかる可能性があります。
顔検索、画像逆引き検索には、さまざまなサービスが存在します。このうち、PimEyesのサービスを事例に、顔検索を用いた情報の集め方の手順をご紹介します。
- PimEyesにアクセスする
- 入力フォームをクリックする
- ファイル(顔写真のデータ)をアップロードする
- 顔認証の処理後に、チェックボックスをオンにする
- 「検索開始」をクリックする
- 検索結果のなかから、指定の画像を選択して、Webページに移動する
- Webページを閲覧して、探し人に関連する情報を探す
ただし、PimEyesの場合、「6」以降の調査をするためにはサービス料金の支払いが必要となります。
また、全身写真のように、顔が不鮮明の状態だと顔認証に失敗してしまいます。
アップロードする顔写真のデータには、鮮明で顔がはっきりわかる写真を使いましょう。
写り込んだ建物や自動車から情報を吸い上げる
1枚の写真からは、さまざまな情報を得られます。
たとえば、写真内には、本人以外に写り込んだものがあります。
その写り込みからは、下記のようなことがわかります。
- 風景から撮影場所を絞り込む
- 本人の衣装から撮影時期(季節)を推察する
- 写り込んだ建築物の建物名を特定する
- 写り込んだ電柱から住所を割り出す
- 写り込んだ自動車からナンバープレート情報を特定する
電話番号を知っているときの人探し【実践編その2】
探し相手の情報として電話番号だけ知っている場合は、調査方法が限られます。その方法は、主に下記のとおりです。
- スマホのアドレス帳に相手の電話番号を登録して、SNSアカウントを特定する
- 電話番号検索サイトを利用して、持ち主の情報を集める
スマホのアドレス帳に相手の電話番号を登録して、SNSアカウントを特定する
SNSアカウントを作るためには、登録時に電話番号を入力することが求められます。
そこで、自身のスマートフォンのアドレス帳に相手の電話番号を登録したうえで、SNSアカウントとアドレス帳を同期設定すると、おすすめのアカウントとしてピックアップされることがあります。
たとえば、Xには、「友だちを見つける」機能が備わっています。
この機能を事例に挙げると、次のような手順でアドレス帳を同期設定できます。
- Xにアクセスする
- 画面左上の自身のアイコンをタップする
- 「フォロー中」をタップする
- 画面右上の「+」のアイコンをタップすると、「おすすめユーザー」のページが開かれる
- 「はじめる」をタップする
- 「次へ」をタップする
- 「おすすめアカウント」が表示される
※本手順は、iPhoneのXアプリを事例にした操作説明です
ここまで作業を進めると、「知り合いかもしれないTwitter利用者」の情報が表示されます。
このリストのなかから、探し人のアカウントを推測していくことになります。
アカウントを特定できた場合は、アカウントの投稿内容をチェックしていき、さらなる手がかりを探していきます。
電話番号検索サイトを利用して、持ち主の情報を集める
電話番号の情報を集める検索サイトを利用すると、番号の持ち主の情報を得られます。たとえば、電話番号検索サイトのjpnumberでは、登録済みの電話番号に関する詳しい情報を閲覧できます。
具体的には、次のような情報を取得できます。
- 番号の種類
- 番号の提供事業者
- 地域(固定電話の場合)
- 住所(持ち主が登録している場合)
- 公式サイト(持ち主が登録している場合)
- 番号に対する口コミ情報
初恋の人を探す【実践編その3】
初恋の人と再会したいケースでは、次のような探し方が挙げられます。ただし、あまり親しくなかった場合、相手に迷惑となる可能性もあるので注意しましょう。
- 共通の知人に連絡をとる
- 卒業アルバムや一緒に撮った写真で顔検索する
- 検索エンジンやSNSで初恋の相手の名前を検索する

共通の知人に連絡をとる
初恋の人を探すうえで、もっとも確実なのが共通の知人に近況を聞いてみる方法です。
とくに、初恋相手と親しかった知人がいて、かつ連絡がとれると、高確率で相手の情報を取得できます。
卒業アルバムや一緒に撮った写真で顔検索する
もしも、初恋相手の写真を持っていたら、顔認証システムを応用した顔検索サイトで情報を得られます。
このケースでは、初恋相手がブログなどに、自身の自撮り画像をアップロードしているときに効果を発揮します。
検索エンジンやSNSで初恋の相手の名前を検索する
初恋の人が同級生だったと仮定すると、氏名はもちろんのこと、年齢や出身地など、詳しい個人情報を手にしていることになります。
そこで、まずは、検索エンジンやSNSで氏名を検索してみましょう。
ただし、初恋相手が女性で、かつ既婚者だと、苗字が変わっていることも考えられます。
この場合は、フルネームで検索するとヒットしません。
そこで、次のように工夫して検索すると、初恋相手の情報がヒットする可能性が高まります。
- 下の名前だけを検索する
- 出身地や母校のキーワードを交えて検索する
とくに、Facebookでは、実名登録するユーザーが大半を占めています。
そして、Facebookには、自身のプロフィール情報に、生年月日や出身地、出身校を記載する項目欄が設置されています。
もし、相手がFacebookアカウントを持っていて、こうした情報を入力している場合、「下の名前 + 出身校」といった複合キーワードでヒットします。
また、SNS上で、まずは初恋相手と共通の知人を探し当てて相手の情報を聞くといった、知人を辿って探していくテクニックも効果的です。
人探しを探偵に依頼するときにかかる費用
人探しを探偵に依頼すると、費用が発生します。このときにかかる費用は、原則的に、調査の難易度、調査に必要な日数などによって変動します。
ファミリー調査事務所を事例に出すと、それぞれの人探し調査の料金を下記のように設定しています。
調査項目 | 料金(税込)と調査内容 |
人探し調査 | 基本料金:132,000円〜
出会わせプラン:154,000円〜 主に、再会を目的とした人探し調査です。探し人と出会わせるための手紙代行などを引き受けるプランも用意しています |
家出人探し調査 | 1時間(調査員1名):8,300円〜
山岳遭難調査(1時間、調査員2名):18,000円〜 家出人を捜索する人探し調査です。ドローンを用いた、山岳の遭難調査にも対応しています。 |
失踪人探し調査 | 失踪して行方がわからなくなった人を捜索する人探しサービスです。ドローンを用いた、山岳の遭難調査にも対応しています。 |
また、それぞれの調査で「完全成功報酬制」「着手+成功報酬制」の2種の料金形態を設けています。
料金の詳細は、お問合せのうえお見積もりをご確認ください。
人探しでお困りなら当事務所にご相談ください!
人探しする場合、その事情や手がかりとなる情報量によって、対策すべきことが変化します。
たとえば、昔の知人と再会したいケースでは、探し人に対する基本情報を把握していることも多いため、さまざまな調査を実行できます。
逆に、一目惚れした人と会いたいケースでは、探すための手がかりとなる情報がほとんどありません。
そのため、自力で探し人を発見する難易度は極めて高いといえます。
どうしても探し人がみつからないときには、人探しの専門家である探偵事務所に相談してみてください。

執筆者:米良
長年の情報収集経験を有し、英語での情報分析も得意とする。豊富な海外調査実績をもとに、国内外の問題を独自の視点で解説します。