迷惑駐車は正しく対策をしなければ、さらに大きなトラブルに発展してしまうこともあります。
対処を誤り、相手の車に傷を付けて、器物破損になってしまう可能性も否めません。
そのため、迷惑駐車は正しく対策を行い、冷静な対処をすることが肝心です。
本記事では、公道や私道で迷惑駐車をされた場合の対策を解説します。
また、訪問が難しい遠方の管理物件への対処法も記載しています。
正しい対処を理解し、迷惑駐車トラブルをスマートに解決しましょう。
目次
迷惑駐車が違法になる範囲

すべての迷惑駐車が違法になるとは限りません。
公道と私道、それぞれでどのような場合に違法になるのか確認しておきましょう。
私道では原則として民事トラブル扱い

私道で発生する迷惑駐車は、原則は民事トラブルとして扱われます。
私道は公道と異なり道路交通法の適用範囲が限られるため、警察が取り締まりの対象と判断しにくいためです。
つまり、私道に勝手に停められても、交通の危険や重大な支障が確認できない場合は警察による対応は期待できないと考えましょう。
とはいえ、警察に頼るのが難しいだけで、私道の迷惑駐車は以下のように判断される場合があります。
- 民法上の不法行為
- 所有権や占有権を侵害する行為
- 妨害排除請求の対象となる行為
そのため、弁護士による警告や、損害賠償・差止請求などの法的措置などの対応が可能です。
法的措置には証拠や、専門家の知識が必要になってくるため、探偵や弁護士への相談を検討しましょう。
契約した駐車場に無断で駐車された場合
契約している駐車場に無断で車を停められた場合も、基本的には民事トラブルとして扱われます。
つまり、契約駐車場での迷惑駐車トラブルでも、警察による対応は期待できません。
ただし、管理会社がある駐車場では、まず管理会社へ連絡することで、車両の移動依頼や注意喚起を行ってもらえる場合があります。
管理会社がない駐車場の場合は、証拠として車両のナンバー・駐車状況を記録しておきましょう。
状況が改善されない場合は、私道での迷惑駐車と同じように、内容証明での警告や損害賠償請求などの民事対応を検討することになります。
相手の使用者が分からない場合は、探偵に使用者特定を依頼することも検討してください。
公道では交通の妨げになる駐車は違法

公道で行われる迷惑駐車が違法になるかどうかは、交通の妨げや危険を生じさせているかが基準になります。
法律上は駐停車禁止場所や標識による規制もありますが、一般家庭で起こる迷惑駐車では、以下のような場合に違法と判断されます。
- 家の前に停められて車の出入りができない
- 道幅が狭くなり通行が困難になる
- カーブ付近で視界を遮り交通の危険が生じる
これらの状況は、交通の妨げになるものとして警察が対応する可能性が高いです。
一方で、通行に支障がなく危険性も認められない場合は、迷惑と感じていても違法とは判断されないことがあります。
違法性を正しく理解したうえで、警察へ相談するべきか決めましょう。
公道における迷惑駐車の対策方法

家の前などの公道に迷惑駐車をされた場合の主な対策は以下の通りです。
公道は私有地ではないため、事前の対策は難しく、事後対応をすることになります。
それぞれの対応方法について詳しく解説します。
車を動かしてもらえないか直接注意する

運転手に声をかけて車を動かしてもらうように注意するのは一つの手です。
軽い行き違いや短時間の停車であれば、この段階で解決するケースも少なくありません。
ただし、直接注意すると相手が逆上し、口論やトラブルに発展するリスクもあります。
相手と関わることに不安がある場合や、注意しても改善しない場合は、無理に接触せず別の対応を取るようにしましょう。
警察へ通報し取り締まりを依頼する

公道での迷惑駐車は、道路交通法違反として扱われる場合があります。
直接注意しても改善しない場合や、相手と関わることに不安がある場合は、警察へ通報して対応を依頼しましょう。
通報時は、以下を分かる範囲で整理して伝えることが重要です。
- 場所
- 車種
- 色
- ナンバー
- 停車している状況
警察は現場の状況を確認したうえで、車両の持ち主への連絡や指導、状況に応じた取り締まりを行います。
後日の相談に備えて、日時や状況が分かる写真を残しておくことも大事です。
私道における迷惑駐車の対策方法

私道は道路交通法の適用範囲が公道と異なるため、警察に頼るのではなく、別の角度から対策をする必要があります。
それぞれの対策方法を詳しく解説していきます。
警告文や注意喚起の掲示をする

私道で迷惑駐車が発生している場合は、まず警告文や注意喚起の提示をしましょう。
「私有地につき無断駐車禁止」などと提示すれば、意図せず駐車している車両を減らせる場合があります。
私道と公道の境界が分かりにくい場所では、私道であることを示すだけでも効果的です。
掲示を設置しても改善されない場合は、写真で状況を記録しながら次の段階の対策に移りましょう。
カラーコーン・看板で物理的に防止する

カラーコーンや看板などを設置し、物理的に車両が入りにくい状態を作るのも一つの手です。
これらは設置と撤去が容易で、来客や自家用車の出入りにも柔軟に対応できます。
特に、スペースの境界が分かりにくい場所では、物理的な区切りを設けるだけでも無断駐車を抑止しやすいです。
ただし、共有私道や駐車場でほかの人も通行する場合は、通行障害にならないような形で設置するように注意してください。
車両情報を記録し証拠を残す

私道への迷惑駐車が繰り返されている場合は、車両情報や駐車状況をスマホなどで撮影し、証拠として残しましょう。
継続的な無断駐車による被害を証拠で示せれば、内容証明による警告や損害賠償請求の準備につなげることができます。
また、探偵に依頼すれば、迷惑駐車をしている人の素性調査をすることも可能です。
素性が分かれば、迷惑駐車の目的や背景も整理でき、私怨の有無なども分かりやすくなるでしょう。

個人で迷惑駐車に対応する際の注意点

迷惑駐車は相手に非があっても、対応次第ではこちらが不利になる場合があります。
そのため、以下の注意点を理解したうえで対応を進めましょう。
それぞれの注意点を解説していきます。
可能な限り相手と接触しない

迷惑駐車の相手と接触すると、トラブルの拡大につながる可能性があります。
相手の素性や状況が分からない場合は、むやみに声をかけないことが重要です。
特に、相手が感情的になっている状況や、深夜帯など周囲に人が少ない状況では、身の安全を優先しましょう。
相手と接触しないことで、不要な口論や誤解を避けやすくなります。
感情的な行動・発言は避ける

迷惑駐車に対して感情的に対応すると、状況が悪化する可能性があります。
特に強い口調で注意をすると、相手が反発し、口論やトラブルに発展しかねません。
注意をする必要がある場合でも、短く事実を伝えるだけに留めることで、不要な衝突を避けやすくなります。
とはいえ、冷静に注意しても、相手の返答によってはどうしても感情的になってしまうこともあります。
そのため、接触を避けて、冷静に証拠の確保・警察への通報といった対応をすることが基本と考えましょう。
車両には触れないようにする

迷惑駐車があったとしても、相手の車両には触れないようにしましょう。
車両に触れると、傷や破損の原因と誤解される恐れがあり、不要なトラブルにつながる可能性があります。
わずかな接触でも、後日になって損傷の責任を問われるケースがあるため、物理的な接触は控えてください。
貼り紙をする場合も、車に直接するのではなく、車に触れない位置で別の形で提示しましょう。
迷惑駐車トラブルの相談先

迷惑駐車トラブルを個人で解決するのは難しいです。
そのため、状況に応じて以下の相談先の利用を検討してください。
それぞれの役割や利用方法について解説していきます。
警察(110番・最寄りの交番)

迷惑駐車が公道で発生している場合は、状況によって道路交通法違反として警察が対応してくれます。
公道で通行の妨げになっている場合や、出入り口をふさいでいる場合は、110番で通報して問題ありません。
また、緊急性が低い状況では、最寄りの交番に相談することで現場確認や指導を依頼できます。
警察は車両の持ち主への連絡や、違反内容に応じた注意・取り締まりを行います。
ただし、私道や私有地での無断駐車については対応できない範囲もあるため、状況に応じて他の相談先と併用することが重要です。
自治体の相談窓口

自治体には、生活トラブルに関する相談を受け付ける窓口があります。
迷惑駐車が地域の環境悪化や生活の妨げになっている場合は、自治体に状況を相談することで、地域としての対応や助言を受けられます。
個人での対応が難しい場合でも、地域の事情に応じたアドバイスが得られるため、次の対応を検討しやすくなるでしょう。
相談内容によっては、他の機関との連携や追加の相談先を紹介してもらえる場合もあります。
弁護士

迷惑駐車によって実害が出ている場合や、内容証明の送付・損害賠償請求を検討する場合は、弁護士への相談が有効です。
弁護士に相談することで、迷惑駐車が法的にどのような位置づけになるかを確認でき、取るべき手続きが明確になります。
内容証明を送付する際の文面作成や、損害の立証に必要な資料の整理についても、専門的なサポートを受けられます。
相手との直接のやり取りを避けたい場合でも、弁護士が代理してくれて、安全に手続きを進めやすくなるのもメリットです。
ただし、明確な証拠が必要になるので、事前に車両情報や駐車状況などは記録しておきましょう。
探偵事務所

迷惑駐車の証拠を集める場合や、相手の素性調査をしたい場合は、探偵事務所への相談が有効です。
車両使用者が特定できれば、迷惑駐車の目的や背景を整理しやすくなり、警告や法的対応の方針も決めやすくなります。
自力での証拠の撮影や記録が難しい場合でも、探偵が効率的に必要な証拠を収集してくれるので、後日の手続きがスムーズです。
特に探偵は、このような日常トラブルの対応に精通しているので「どう対応すればいいのかわからない」という場合に相談しやすいです。
悪質な迷惑駐車には探偵への依頼が有効

- 車両の所有者・使用者を特定できる
- 迷惑駐車の目的や背景を把握できる
- 繰り返し行為の証拠を収集できる
- 相手と直接やり取りをせずに済む
- 警察や弁護士へつなげるための資料を揃えられる
迷惑駐車に困っているなら、探偵への依頼をおすすめします。
迷惑駐車は、相手の情報が分からないままでは対処が進みにくい場合が多いです。
探偵に依頼すると、車両の所有者や使用者の特定調査を行えるため、相手が不明な状況でもスムーズな対応を進められます。
また、日時や状況を整理した信頼性のある調査資料を作成できるのも探偵の大きなメリットです。
この資料は、警察や弁護士に正式な相談をする際の根拠として活用できます。
今後どのように対応するべきか、一度相談だけでも検討してください。
実際に探偵が解決した迷惑駐車の事例

ここでは、当事務所が実際に解決した迷惑事務所の事例を紹介します。
- 遠方の管理物件の迷惑駐車
- 地方の不動産会社Aは、東京の管理物件で入居者から「駐車場に見知らぬ車が頻繁に停まっていて、自分の車を停められない」という苦情を受けました。「このままでは退去も考える」という声も上がりましたが、遠方のため現地での対応が困難な状況でした。
- 調査の成果現地調査を実施。早朝から深夜まで監視し、特定の1台が週に3〜4回、3〜5時間駐車している実態を記録しました。所有者を尾行した結果、近隣会社の社員と判明。不動産会社Aが、会社に抗議の連絡をすると、迷惑駐車はなくなりました。
- 知り合いによる迷惑駐車
- 埼玉県在住のBさんは、自宅の私道に近隣住民のCさんが頻繁に車を停めることに悩んでいました。子供が同じ学校に通う保護者同士という関係性もあり、直接注意できずにいました。当初は月に1〜2回程度でしたが、次第に週に3〜4回、時には数時間にわたる駐車となり、Bさんの車を出せない状態が続いていました。
- 調査の成果監視調査で2時間以上の長時間駐車を確認し、証拠を収集。Bさんは紹介された弁護士監修の通知書を、第三者としてCさんに送付しました。客観的な証拠と専門機関の関与を知ったCさんは事態の深刻さを認識し、すぐにBさんに謝罪。今後は一切駐車しないことを約束し、関係を損なうことなく問題が解決しました。
このように、物理的、心情的に難しいケースでも対応可能です。
探偵へ依頼してから迷惑駐車問題を解決するまでの流れ

探偵に依頼してから、迷惑駐車のトラブルが解決するまでの大まかな流れをまとめました。
状況に応じて進め方は異なりますが、解決までの流れを確認しておくことで、次に取るべき対応が判断しやすくなります。
それぞれの流れを詳しく見ていきましょう。
1.探偵に調査を依頼する

迷惑駐車の状況が続いている場合は、まず探偵に調査を依頼します。
相談時には、これまでの発生状況や記録している写真などを共有すると、調査の方針を決めやすくなります。
依頼内容は状況によりますが、以下が中心です。
- 証拠の収集
- 車両の使用者や関係先の特定
- 迷惑駐車の目的・背景の調査
調査開始後は、必要に応じて追加の情報提供を行いながら、進行状況の報告を受ける流れになります。
2.探偵が迷惑駐車の証拠を集める

依頼を受けた探偵は現場に出向き、迷惑駐車がどのように発生しているのか証拠を集めていきます。
これにより「偶然の一時的な駐車なのか」「継続的な迷惑行為なのか」を判断が可能です。
証拠が揃うことで、後日の警告・内容証明・法的措置につながりやすくなります。
3.調査を通じて車両の使用者・関係先を特定する

記録した証拠・車両情報をもとに、探偵は車両の使用者や関係先を特定します。
ここは個人では対応が難しい部分でもあります。
相手が分からないと「いつの間にか迷惑駐車されていつの間にか消えている」という状況で、対処できないことも少なくありません。
探偵の調査によって相手が明確になることで、より適切な警告や法的対応に進めるようになります。
4.証拠を弁護士へ引き継ぎ警告・内容証明を送付する

使用者が特定できたら、収集した証拠を弁護士に渡し、警告・内容証明の送付を検討します。
警告・内容証明の送付と聞くと難しく考えがちですが、弁護士は各種手続きを代理してくれるので心配ありません。
なお、探偵事務所によっては弁護士と連携している場合もあります。
そのため、スムーズに進めたい場合は、弁護士と連携している探偵事務所を選びましょう。
5.状況に応じて損害賠償請求などの法的措置を行う

警告を行っても改善が見られない場合や、迷惑駐車によって実害がある場合は、以下のような法的措置を行います。
- 損害賠償請求
- 不法占拠に対する明渡し請求
- 差止請求
状況に応じた判断が必要なので、弁護士と相談しながら、どのような対応をするべきなのか決めましょう。
迷惑駐車の対策に関するよくある質問


ガムテープや貼り紙で警告しても良い?

無断駐車に対して車両へ直接ガムテープを貼ったり、窓に貼り紙を貼る行為は避けましょう。車両に触れると、傷や破損の原因と誤解される可能性があります。注意喚起を行う場合は、地面や壁面など、自分の管理範囲に掲示を行う方法が適切です。

迷惑駐車・無断駐車ってやったもん勝ちなの?

迷惑駐車・無断駐車は「やったもん勝ち」ではなく、状況によっては権利侵害として扱われる場合があります。しかし実際は、迷惑駐車・無断駐車に対して証拠を集めて法的な対応をするのは難易度が高いです。「やったもん勝ち」にならないよう、探偵に依頼するなどして速やかに証拠を集めて法的対応をすることが肝心です。

迷惑駐車対策グッズは何がおすすめ?

私道への無断駐車が発生している場合は、物理的に駐車を防止するグッズが有効です。代表的なものは、カラーコーン、簡易バリケード、駐車禁止スタンドなどがあります。

迷惑駐車の通報先は110番で良い?

公道で通行の妨げになっている場合や、出入り口がふさがれている場合は110番で通報して問題ありません。ただし、私道や私有地の無断駐車は警察の対応範囲外となるため、別の相談先が必要です。相手が不明な場合は、使用者を特定するために探偵の調査が有効です。

警告文や注意喚起の例文・テンプレートは?

一般的な例文としては「私有地につき無断駐車禁止」「契約者以外の駐車はご遠慮ください」などがあります。感情的な表現や脅しと受け取られる表現は、トラブルにつながる可能性があるので、シンプルな文章を心がけましょう。
迷惑駐車の対策はファミリー調査事務所にお任せください

迷惑駐車は個人で対応するのが難しく、法的な対応をするには証拠の収集が欠かせません。
そのため、探偵に調査を依頼しましょう。
ファミリー調査事務所では、車両の使用者特定調査や、迷惑行為の継続性を示すための証拠収集に対応しています。
状況が整理されることで、警告や内容証明の送付、弁護士への相談など、次の手続きへ進みやすくなります。
状況に合わせた最適な対応方法をご提案いたしますので、迷惑駐車でお困りの場合は、状況の確認からでもお気軽にご相談ください。

執筆者:米良
長年の情報収集経験を有し、英語での情報分析も得意とする。豊富な海外調査実績をもとに、国内外の問題を独自の視点で解説します。






















