空き巣被害に遭った際、警察に通報しても「なかなか捜査が進まない」「犯人が捕まらない」と感じるケースは少なくありません。
住まいを荒らされ、大切な金品を盗まれた被害者にとって、警察の対応が消極的に見える状況に不安を感じるのは当然でしょう。
実は警察が動かない背景にはいくつかの理由が存在します。
この記事では、警察が動かない理由や捜査の流れ、被害者側で行える対処法について詳しく解説します。
目次
空き巣被害で警察が動かない理由

警察が捜査を進めるかどうかは、主に「証拠の有無」「被害規模」「事件の緊急性」の3点で判断されます。
これらの条件がそろわない場合、空き巣事件は捜査が進みにくい傾向があります。
上記の3つの理由について解説します。
証拠がない場合は警察の積極的な捜査が難しい

空き巣被害を通報しても、目撃証言、防犯カメラの映像、犯人の指紋といった有力な証拠がない場合、警察は積極的に捜査を行うことが難しくなります。
警察が捜査令状を取得したり、被疑者を逮捕したりするには、客観的な証拠が必要なためです。
とくに空き巣は住人が不在の時間を狙って行われるため、近隣住民への聞き込み捜査をしても目撃者が表れにくい特性があります。
加えて、防犯カメラを設置していない家も多く、客観的な映像の証拠がなく、捜査を進めにくいケースが多々あります。
被害額が少額の場合

盗まれた物品や現金の被害額が少ない場合、警察は積極的に捜査しないケースがあります。
警察も限られた人員・予算で動いているため、数千円など被害額が少額の場合、他の被害が大きな事件が優先されるケースがあります。
また、被害額が少ないと刑事事件として立件しても、検察官が起訴猶予や不起訴処分とする可能性が高いことも、捜査を積極的にしない要因の1つです。
事件の優先度の関係で対応が後回しになる

警察には毎日多くの事件・トラブルが通報されており、緊急性と重大性に応じて優先度をつけて対応します。
殺人や強盗といった凶悪犯罪が発生した場合、空き巣のような窃盗事件への対応は後回しになりやすい傾向があります。
とくに人口が多い都市部の警察署は常時多くの事件を抱えているため、一件あたりに割ける捜査の時間・労力が限られています。
組織的な犯罪グループの関与が疑われるなど、特筆すべき点がない限り、個別の空き巣被害に対して専従捜査が行われることは稀です。
空き巣被害に対する警察の対応

警察に空き巣を通報した際、どのような手続きが行われ、どのような法的枠組みで処理されるのかを把握しておくことは大切です。
ここでは、空き巣被害に対する警察の対応について解説します。
警察の対応の流れ

空き巣被害を通報した後の流れは、以下の表のとおりです。
- 実況見分を行う・・・警察官が現場に来て、侵入経路の確認、指紋の採取、被害状況の確認を行う
- 被害届の提出、受理・・・被害に遭った日時、場所、盗まれた物品または現金のリストを記載し、被害届として提出、受理する
- 周辺捜査・・・近隣の防犯カメラの確認、地域住民等への聞き込みを行う
- 犯人特定、逮捕・・・証拠がそろい、犯人が特定されると逮捕、または書類送検する
被害届を提出し、受理されると周辺捜査が開始されます。
被害者側の注意点としては、警察に通報した後は現場の証拠を壊さないよう、なにも触らず待つこと(現場保存)が大切です。
また、キャッシュカード・クレジットカードが盗まれていると不正利用される可能性があるため、銀行やクレジットカード会社に連絡し、すぐに停止してもらいましょう。
カード番号とセキュリティコードを知られている可能性もあるため、カード類が盗まれていなくても停止するようにしてください。
警察は「不法侵入(住居侵入罪)」と「窃盗」として捜査する
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警察は空き巣事件を、刑法に基づき「住居侵入罪(刑法130条)」と「窃盗罪(刑法235条)」の2つの罪状から捜査します。
住居侵入罪は、正当な理由なく他人の住居に侵入する行為を指し、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられる犯罪です。
金品を盗む行為は窃盗罪に該当し、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる犯罪です。
空き巣被害では、警察は住居侵入罪と窃盗の罪状を立証するために、犯人の侵入経路や盗難の意思を確認するための捜査を並行して行います。
空き巣被害で警察が動かない場合のリスク

空き巣被害において、警察の対応や捜査の進行の遅れを放置するとリスクが生じます。
警察が動かない場合、盗まれた金品の被害だけではなく、下記のようなリスクがあります。
それぞれのリスクについて解説します。
空き巣の証拠が消失する

空き巣被害から時間が経過するほど、現場に残された指紋や足跡などの証拠が消える可能性が高くなります。
庭などの屋外に残った足あとといった証拠は雨風にさらされて消失する可能性が高く、屋内に残った証拠も住民が生活する中で消失する可能性があります。
防犯カメラの映像データに関しても、戸建住宅なら2~3週間、マンションは2週間~1ヶ月で上書きされて消えてしまいます。
警察がすぐに動かず必要な証拠を放置したままでいると、犯人を特定する手段を失う恐れがあるため、できるだけ早期に証拠として保存しなければなりません。
再犯する可能性がある

空き巣犯は一度侵入に成功した家を「入りやすい家」と認識し、再び狙う傾向があります。
警察の捜査が行われず、防犯対策も強化されないままでいると、犯人に「この家は安全だ」と判断されてしまいかねません。
再犯のパターンとしては、同じ犯人が数ヶ月後に戻ってくるケースや、犯行グループ内で情報が共有され、別の窃盗犯が侵入するケースも考えられます。
盗品が換金・処分されてしまう

盗まれた貴金属やブランド品などは、犯行後リサイクルショップやオークションサイトで換金されるのが一般的です。
捜査が遅れると、盗品が流通経路に乗ってしまい、発見や回収が困難になります。
現金であれば使用されてしまうため、犯人が捕まったとしても、被害額が戻ってくる可能性が低くなります。
不安やストレスが増大する

警察が動いてくれない場合、「また誰かが入ってくるのではないか」という恐怖心が強くなり、被害者の不安やストレスが増大します。
警察に対する不信感も重なり、夜眠れなくなったり、自宅にいることが苦痛になったりする事例も少なくありません。
空き巣被害で警察に動いてもらうための対処法

警察に捜査してもらうには、被害者側の働きかけも重要になってきます。
ただ待つのではなく、時には下記のような対処法を行うと、警察が動くきっかけになる場合があります。
それぞれの対処法について見ていきましょう。
空き巣被害の具体的な情報を伝える

通報や被害届を提出する際は、「いつ」「どこから」「どのような手口で」侵入されたかを整理し、状況をできるだけ詳細に説明するようにしましょう。
- 玄関や室内の物色の形跡(いつもの状態との違い)
- なくなっているものがあるか
- 侵入者の姿を見たか
- 怪しい音を聞いたか
空き巣に入られた確証はなくとも、犯人の特徴につながりそうな情報は些細なこともすべて伝えるようにしましょう。
具体的な情報が多いほど、警察も事件の全体像を把握しやすくなり、捜査の端緒が見つかる可能性が高まります。
証拠を集めて提供する

警察が本格的に動くのを待つ間に、自身で可能な範囲の証拠集めを行うことも効果的です。
自宅に防犯カメラを設置している場合は、その録画映像をすぐに保存し、警察に提供しましょう。
また、近隣の住民から「不審な人物を見かけた」といった情報を得られたなら、重要な証言として警察に報告するようにします。
客観的な証拠は捜査令状を取得したり、被疑者の逮捕につながるため、警察も捜査に踏み切りやすくなります。
弁護士・探偵事務所など専門家に相談する

捜査を進めてくれないなど、警察の対応に納得がいかない場合は、弁護士や探偵事務所などの専門機関を頼る方法も検討するとよいでしょう。
弁護士を介して告訴状を提出すれば、被害届よりも捜査を開始してもらいやすくなります。
警察が告訴を受けた場合、事件に関する書類・証拠物を検察官に送付する義務が生じるためです。
また、探偵事務所に依頼して独自の調査を行い、犯人の特定や証拠収集を依頼することも有効な選択肢の1つです。
探偵が作成する調査報告書は、警察に捜査を促したい場合の有力な資料になります。
再度空き巣に狙われないための防犯対策

空き巣は一度侵入に成功した家を再び狙う傾向があります。
警察の捜査状況にかかわらず、防犯対策を早急に行うことが再被害防止につながります。
空き巣に狙われにくい家にするには、下記の防犯対策を行いましょう。
どの方法も一般家庭で行える防犯対策です。
鍵を変えて補助錠を設置する

空き巣の侵入経路として最も多いのが、窓やドアなどの開口部です。
まずは被害に遭った箇所の鍵を、より防犯性の高いディンプルキーなどに交換しましょう。
補助錠は犯人の侵入に要する時間を長引かせるため、空き巣が犯行を断念する大きな要因になりますので、設置をおすすめします。
防犯カメラを設置する

防犯カメラの設置は、犯行の抑止と証拠の確保の2つの面で効果があります。
空き巣犯は事前の下見でカメラの有無を必ず確認するため、見える位置にカメラがあるだけで侵入を諦める可能性が高まります。
最近ではスマホと連携し、外出先からリアルタイムで監視できる機能があるカメラも普及しているため、より防犯性が高まっています。
空き巣被害の支援団体・防犯協会を活用する

各都道府県には「被害者支援センター」や「防犯協会」などの相談窓口が設置されています。
防犯に関するアドバイス、精神的なケア、法的な相談先の紹介などを行っており、空き巣被害者のサポートをしています。
専門的な外部機関に相談すれば、防犯に関する知識を得たり、不安の解消につながる場合がありますので、必要に応じて活用するとよいでしょう。
空き巣被害の警察対応に関するよくある質問

空き巣被害の警察対応に関するよくある質問についてQ&A形式で整理しました。
警察がほとんどの空き巣被害で動かないのは本当?
A: 多くの空き巣被害で、証拠や優先度の関係で捜査が進まない場合があるのは事実です。
空き巣被害は決定的な証拠が残りづらく、警察も捜査に割けるリソースに限界があるため、他の事件を優先する傾向にあるためです。捜査を進めて欲しい場合、被害者側で証拠を集める・専門家に相談するといったアクションを起こす必要もあります。
空き巣被害の捜査はどれくらいの期間?
A: 実況見分は当日中に行われますが、その後の捜査に関してはケースバイケースです。
証拠がそろっていて数日中に犯人が逮捕される場合もあれば、証拠の少なさや事件の優先度の低さから捜査が難航し、数ヶ月以上に及ぶこともあります。
時間が経ってから犯人が捕まるケースもある?
A: あります。
具体的には、別の事件で逮捕された被疑者の余罪として、過去の空き巣被害が判明するケースなどがあります。そのため、空き巣被害に遭ったらすぐに被害届を出し、可能な限り証拠や手がかりをそろえておくことが大切です。
空き巣被害の相談はファミリー調査事務所にお任せください

空き巣被害は金品を奪われる損害だけでなく、不安や恐怖といった感情を被害者に抱かせるものです。
警察は被害届は受理してくれるものの、捜査を積極的に行うかどうかは証拠の有無や事件の優先度によって変わってきます。
警察が動いてくれない場合でも、被害者側で証拠を集め、必要に応じて第三者の専門家を活用することで、警察が動いてくれる可能性があります。
「警察に相談したけど、なかなか捜査が進まない」「犯人を捕まえて盗まれた物を取り戻したい」とお悩みなら、ファミリー調査事務所へご相談ください。
当事務所では、ご依頼者の状況に合わせ、調査員が空き巣被害の証拠や犯人特定につながる情報を集め、警察に情報提供するサポートをいたします。
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執筆者:米良
長年の情報収集経験を有し、英語での情報分析も得意とする。豊富な海外調査実績をもとに、国内外の問題を独自の視点で解説します。























